自身の経験をもとに、精神・社会福祉士を取得して、かつて同じような境遇に置かれている人の支援を行いたいという思いを抱いて受験される方は多いです。
今回紹介する三宅隆之さんは、 ギャンブルやアルコール依存を経験してきました。
現在は、依存症者の回復を支援する一般財団法人「ワンネスグループ」共同代表を務めています。
大学生時代に先輩に連れられて行ったパチンコにはまり、ギャンブル依存症になり、その後も負のスパイラルのような生活を送ることになります。
パチンコ代のために昼夜、アルバイトを入れ、うそをついて親や友人から借金をし、就職後は横領などトラブルを起こして解雇され、転職を繰り返しました。その間、ギャンブルのストレスを解消しようとアルコールにも依存されたそうです。
32歳の時、親に突き放されたのをきっかけに自ら依存症の回復施設に入所しました。
ここで出会った仲間と共に、自分の弱さやコンプレックスがどう作られたか見つめ、回復されたそうです。
高校まで優等生だったのが希望の大学に入れず劣等感が膨らんでいましたが、人の評価ばかり気にする自分を受け入れることが再生の道につながったようです。
回復後に精神保健福祉士の資格を取得し、現在は依存症からの回復を支援するワンネスで講演会等の活動を行っています。
昨日扱った加藤さんの家族会のように、三宅さんも依存症から回復するためには、同じ経験を共有できる自助グループの存在が大切であることを唱えています。
三宅さんのように自身の経験をバネにして、社会貢献に取り組まれている受験生のみなさんのお話をたくさんお聞きしたいという思いで今回の記事を終わりにします。