言うまでもなくなっていますが、転職の為に社会福祉士・精神保健福祉士・公認心理師資格取得を目指す受験生はたくさんいらっしゃいます。
3年目に入ったコロナ禍を契機に、福祉業界へ足を運ばれようとしている方が増えています。
少子高齢化の影響で、特に高齢者分野のニーズが高まる一途で、資格取得後に転職を希望される方や、施設で求められているという声が届きます。
医療・福祉求人の需要が年々増えるわけは
看護師・介護職がより多く必要になる
労働人口が減少する一方で人口に占める高齢者の割合は増加しています。国の推計によると、サービスを受けたい人とサービスを提供する側の需給バランスが将来的に大きく崩れてしまうことで、2025年には看護師で13万人、介護職で約34万人が不足するといわれています。医療・介護サービスのニーズが高まる中で、担い手となるべき若い世代の母数人口が減っているため、人手不足はより深刻になっていきます。
福祉業界への転職のために社会福祉士資格を取得する
実際、私が卒業した大学にも、転職のために社会福祉士国家資格取得を望まれている方が多数いらっしゃいました。
高齢者施設に進まれた後、介護福祉士国家試験に合格されて、さらなるステップアップや業務の幅を広げるために、社会福祉士取得を目指される方もおられます。
絶対合格ブログ発の歴代合格者の多くも、社会福祉士資格合格後、活かした仕事に就かれています。
例えば第28回社会福祉士試験に一発合格された方の中で、それまで福祉の世界とは無縁の業界で働かれていたものの、合格後に社会福祉士としてご活躍されている絶対合格仲間もいます。
私の出身大学でも、転職希望で受験される方が一番多かったです。
学生の平均年齢は35歳を超えていますが、実際に私が出会った学生の中では、異業界からの転職希望組が福祉業界の学生と同じくらいいました。
食品業界、流通業界、IT企業、自動車業界で働く正規職員の方から、スーパー、コンビニ、漫画喫茶、ファーストフードで働きながら受験を目指しているフリーターの方など、十人十色でした。
中には、年収600万を超える収入だったのに、ドロップアウトして福祉業界への転職に参入する30代後半の学生もいらっしゃいました。
収入よりも、誰かのために尽くせるやりがいをモットーに、福祉業界への転職を決めたそうです。
その方は、実習先の施設長に気に入られて、実習中に内定をもらっていました。
前職でも買われていた、人柄の良さを評価してもらえていたようです。 私の友人で、それまで社会人経験が皆無だったのに、正規職員として福祉施設に就職が決まった人もいます。
30代前半で、収入も福祉業界の中では良い方だと言っていたので、水を得た魚のようにやる気満々でした。
あいにく彼は社会福祉士国家試験は落ちてしまいましたが、卒業で得られた社会福祉主事任用資格で就職できたそうです。
3年後の社会福祉士試験では見事にリベンジ合格を果たされました。
広がる公認心理師資格のフィールド
公認心理師資格は誕生してから5年が経ったところなので、これから資格登録者の活かし方が広がってくるでしょうが、福祉業界で心理分野資格者のフィールドが増えてきています。
現にこの5年間で登録者数は5万人を超えており、半数以上実務経験者が占めているので、現職が福祉・教育・医療業界の方が多いです。
実際に最新の第5回公認心理師試験受験生の内訳で、現職で多い順に、福祉、教育、医療分野でした。
公認心理師の社会的ニーズは確実に年々広がってきています。
例えば、令和3年度の児童発達支援事業において、専門的支援加算の心理指導担当職員として、公認心理師資格取得者が該当されるようになり、実際に求人情報も増えています。
例えば、indeedで「公認心理師 放課後 児童デイ」と検索したところ、関連求人が157件ヒットしていました。
今、まさに同じような状況下で先の見えない不安でいっぱいかもしれませんが、一人だけではありません。
令和4年度の診療報酬改定において、相談支援加点の対象職種に精神保健福祉士と公認心理師資格が追加されています。
これからも社会的ニーズが拡大し、増加していくことが想定されます。
このたび厚生労働省保険局は、「令和4年度診療報酬改定の概要」を公開しました。治療と仕事の両立を推進する観点から、対象となる疾患に心疾患、糖尿病及び若年性認知症が追加されています。
また、対象となる企業側の連携先に衛生推進者が追加されるとともに、相談支援加算の対象職種に精神保健福祉士及び公認心理師が追加されるほか、情報通信機器を用いた場合の評価も設けられます。
社会に求められる社会福祉士・精神保健福祉士や公認心理師は、引き出しをたくさん持っており、創造(想像)力が豊富です。
それは知識だけに留まらず、これまで培った自己の経験が対人援助職では多彩に展開することができます。
福祉業界への強い希望が絶えずあるのならば、年齢をハンデに思わず、今までの経験を志望動機とモチベーションに変えて、受験も転職活動も、ともに乗り切れれば良いですよね。
ちなみに参考+αの話ですが、転職の資格として評価が高い「宅建士」資格の受験者層も幅広いです。
今年度宅建試験は、前年度比2万人以上も受験者数が増加しているところも、うかがえます(約22万人受験)
私が合格した平成23年度の受験生平均年齢は、35.4歳でした。
実際に受験会場で目にした受験生や、合格後の登録実務講習の教室に座っている受講生の風貌からしても、推定30代~50代くらいの年代が多かったです。
登録実務講習で話ができた一部の合格者から、 「現職でSEで、不動産業界に転職するために宅建を取得した」という動機を教えてもらいました。
年齢は30代後半くらいの方々でした。
社会福祉士・精神保健福祉士・公認心理師や宅建士にしろ、このコロナ禍でこれらの資格を活かして人を幸せにするきっかけ創りになると信じています。