今回は第24回から第32回試験までの8年分社会福祉士試験の出題傾向について分析した記事です。
主には、事例問題についてです。
私が受験した第24回試験では、全体で事例については出題数が37問でした。
第30回試験は26問出題されており、第27回試験からは30問を下回っていますが、全体から見れば出題数は多めであることは変わりません。
社会福祉士試験の出題形式における文章量自体は第25回試験以降から減少しており、第30回試験と比較すると40%も減っています。
長文形式が減っている代わりに、知識や単語の定着を問う一問一答式が第24回が113に対して、第30回試験は122まで増えています。
事例問題で求められているのは、「読解力」や「スピーディな判断力」です。
本試験では、全150問を、1問につき1分30秒くらいで解かなければなりません。
そもそも、なぜ事例問題が多いかというと現場に求められている実践力や判断力が具現化されている点と、受験者達をふるい落とすために、困惑させるねらいがあると考えられます。
過去問やテキストで暗記した重要キーワードなどの知識を、現場を想定した長文問題の中で、適切に使いこなせるかが問われています。
事例問題が目立つ専門科目の「相談援助の理論と方法」は、得点源です。「相談援助の方法」「相談援助のアプローチ」と合わせると第30回試験は合計20問も出題されています。
しっかりと事前学習を重ねて取り組めば、初見の事例問題が出題されても、対応できます。
事例ケースは想像しやすくて、現場経験がなくても常識的センスや消去法で解けるような問題も毎年必ずと言ってよいほど用意されています。
長文問題は、確実に得点をゲットできるサービスポイントですから大量得点をキープしたいものです。
続いて第31回試験はどうだったのかについて触れたいと思います。
1.出題文の5肢については、第31回試験は文章量は第30回試験と比べても増量しています。限られた出題時間の中で適切に判断できる考察力や洞察力が求められています。
2.単語の数(例:GDP等)は第30回試験比の半分となっていました。
3.事例問題数は第30回試験と比べて28問と、変化がない構成でした。
4.注目すべきは「一つ選べ問題」と「二つ選べ問題」と構成です。
第30回試験が「1つ選べ問題」が138、「二つ選べ問題が」12問だったのに対して、第31回試験は「1つ選べ問題」が128、「二つ選べ問題が」22問と大幅に増加しています。
ちなみに22は過去最多で、次いで第28回試験の20問です。
第31回試験は事例問題の中において正しいものを二つ選べを多数用意されているので、全体の出来具合として点数が下がるようには仕組まれていませんでしたが、今後合格点を下げる意図があった場合は、事例問題以外での出題が散りばめられる可能性もあります。
確実に知識を蓄えて引き出せる力を身につける必要性がより求められています。
5.「最も適切なものを選びなさい」問題が全体で69問も出されている点にも注目です。
主に事例問題での解釈・対応としての問いに多く見られましたが、社会福祉士としての適切な判断を求められる出題は今後も多数用意される可能性が高いです。
続いて第32回試験出題分析をまとめてみました。
1.出題文の5肢については、第32回試験は文章量は第31回試験と比べても増量しています。難易度が前年比やや難しくなったという点にも影響しているかもしれません。
2.単語の数(例:GDP等)は第31回試験比増加しています。
3.事例問題数は第31回試験と比べて26問と、前年比2問ほど減った構成でした。
4.「一つ選べ問題」と「二つ選べ問題」と構成です。
第31回試験が「1つ選べ問題」が128、「二つ選べ問題が」22問だったのに対して、第32回試験は「1つ選べ問題」が133、「二つ選べ問題が」17問と減少しています。
※第26回、27回と同じです。
ちなみに第31回試験の22問は過去最多で、次いで第28回試験の20問です。
第32回試験からは試験構成員も60%新しくなったようで、第35回試験では試験委員の構成員が変わっています。
直近の第34回試験傾向を踏まえつつ、テキストと問題集でインプットとアウトプットを繰り返すトレーニングも肝心ですが、社会ニュースに注目しながら どのような対応が社会福祉士に期待されているのか、求められているのかを事前にリサーチしておくようなアクションもお勧めします。