試験まで3ヶ月を切っていますが、就活や実習も落ち着いたことで、これから本格的に勉強を始められる方の中で、18科目群もの膨大なカリキュラムのどこから手をつけたら良いか迷っている方に向けてアドバイスを送ります。
まず、大半の問題集の掲載順は、本試験出題の通りに作られていると思います。
午前科目(共通)ならば、「人体の構造と機能及び疾病」から、午後科目(専門)は、「社会調査の基礎」から始まります。
順番通りに勉強される予定の方もいらっしゃると思いますが、個人的には午後科目「相談援助の基盤と専門職」または「相談援助の理論と方法」からスタートされることをオススメします。
なぜならば、その二科目は全分野の中で、得点が取りやすい科目だからです。
突破口として、上記の科目は確実な知識を問う出題や、事例問題が数問含まれているため、とっかかりやすいのです。
直近の試験傾向について分析すると、
第28回専門科目の問題数が全67問の中、「2つ」選ぶ形式の問題については13問でした。
第27回は14問で、第26回は11問、初回出題の第25回は8問でした。
過去3年間では10問以上出題されており、合格点を6割基準に近づける上でも、不正解者を増やすため、第29回試験も例年と同じくらいの出題数が予想されます。
単文事例については、19問(問題141を含む)も出題されて、第27回試験よりも2問増加しています。
新たに「福祉サービスの組織と経営」で1問出題されており、事例問題の増加傾向が際立ちます。
先日紹介した社会福祉士の今後の在り方について、法制度等の知識科目を削減して、ソーシャルワーク実践体験を増やそうとする流れになっているので、事例問題は更に増加する可能性は高いです。
事例問題を多くこなして、出題傾向をつかみつつ、確実に点数を獲得できるようにトレーニングを積み重ねていけます。
特に初学者の方が、試験に対して、「社会福祉士試験って範囲が広すぎるし、難しそうだから気後れするんだよな」という先入観があるとしたら、払拭できる効果もあります。
現場を想定した実践問題が出題されるため、ペーパーテストの枠を越えて、役に立つ知識を学びとることができます。
私がこのやり方を選んだのは、試験前に受験した宅建試験が影響しています。
宅建試験は、不動産業界の実務に直結している「宅建業法」科目が最も出題数が多く、受験生の得点源だからです。
まずは学びやすい分野から入って、勉強の習慣を作って行くスタイルは、社会福祉士試験でも通用しました。
宅建では民法の科目が、受験生にとって苦手分野と言われています。
社会福祉士試験で言う午前科目の「現代社会と福祉」と、午後科目の「障害者に対する支援と障害者自立支援制度」を、初っぱなから取り組まれるのは、歴史が得意な方や関連業者以外は効率が悪いかもしれません。
自分にとって興味が湧く(解きやすい)分野から導入することがポイントです。小さな自信がつくと、本試験への苦手意識も薄められます。
勉強のやり方は十人十色ですが、開始前に迷われている方は、参考にしてください。