派遣切り、ホームレス、孤独死―。社会から孤立する三十代が急増している。
なぜ、彼らは「助けて」と声を上げないのか?就職氷河期世代の孤独な実態を描き、昨年度「クローズアップ現代」で最高視聴率を上げた番組を単行本化(Amazon説明文)。
「助けて」と言えない30代。
本書のタイトルを目にした途端、吸い寄せられるかのように耽読しました。
私自身が他でもない30代として、他人事のように思えずに一字一句から咀嚼しました。
私は日々、「助けてください」と訴えられる相談者様と向き合っておりますが、本書に登場する若年層は、第三者にSOSのサインを発せないような共通性があります。
なぜ彼らがそこまで窮地に立たされるようになったのか、もしかしたら自分も一寸先には似たような境遇に遭遇するかもしれない危機感を意識しながら読んでいました。
他人に迷惑をかけずに、自分のことは自力でなんとかしようとする彼らに対して、社会福祉士を志すみなさんや社会福祉士現職の方々が感じるものは多々あると思われます。
そして、援助対象者だけではなくて、支援者自身も一人で抱え込んで「助けて」が叫べないようにならないような心がけやサポート環境が大切であるとつくづく感じました。
これからの社会は、「弱みを見せたら負け」という考えを抱き続けていると、身も心も疲弊しきってある時に心がポッキリと折れてしまう危険性があります。
SOSを発信できる力は、自分を愛して他人を信じる力の表れです。
困った時に臆せず「助けてと言える社会」になれるためには何が大切で何をすべきなのか、私も考え続けて行きたいと思います。
「助けて」と言える国へ ──人と社会をつなぐ (集英社新書)
- 作者: 奥田知志,茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2013/08/21
- メディア: 新書
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