既に第32回社会福祉士試験の出題・合格基準が公開されていますが、特に注目なのが、「(参考)出題基準に関連する事項~試験の方法~ 」に書かれている、"出題形式は五肢択一を基本とする多肢選択形式とし"という注記でしょう。
第24回以前の試験を受けて再受験される方や、古いテキスト・問題集を使っている方向けて、ここで説明いたします。
初登場した第25回本試験を受験された方にとっては、印象が強すぎた「2つ選べ」形式ですが、第26回試験以降も毎年継承されています。
5択のうち、正しいものを2つ選んで、両方正解で1点というものです。
この出題形式の存在を知っているか知らないかで、本番の心理面や得点率に影響してきます。
この7年間で、この問題にメンタルをやられて、本領発揮できなかったという方の声も寄せられています。
また、マーク漏れに苦しんでいる方もいらっしゃいました。
試験形式は今後も改正されていくことが、平成20年に公示された 社会福祉士及び介護福祉士国家試験の在り方に関する検討会」報告書について にて触れられているため、第30回試験において新たな形式の出題方法が出される可能性もあります。
ちなみに、同じ国家試験つながりの行政書士試験では、平成18年の試験改正から「多肢選択式問題」が導入されました。
枠内にフレーズが並んでいて、その中から空欄に該当するものを選ぶという出題形式です。
社会福祉士試験が上記の出題を踏襲するとは考えにくいですが、昨年度の試験同様、どのような新形式が出されても動じないように、基礎の基礎を定着させる必要性が浮き彫りになりました。
この多肢選択形式の登場については、精神保健福祉士試験も同様 です。
また、合格基準点につきましては、これまでと同様で、「問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者で、全科目で得点があること」のようです。
「社会福祉士及び介護福祉士国家試験の在り方に関する検討会」報告書について の中では、
>将来的には絶対基準により評価を行うことを視野に
とありますが、
>当面、問題の難易度による補正方法の改善について検討を行う必要がある。
この事項に沿って絶対評価は先送りになっています。
第31回試験の傾向を踏まえるならば、恐らく合格率28%前後に調整するような基礎力を重視される出題が主になると思われますが、実際は蓋を開けてみなければわかりません。
受験生にとっては不安要素の一つかもしれませんが、臆することなく試験の準備を重ねれば、どのような試験であろうと、合格範囲に入れます。
難易度が高かったとしても、他の受験生も同様に感じていることが多いですから、第25回試験のような全体の5割以下でも受かるという、受験生全体の出来で合格点が左右する相対評価が影響してくるのです。