社会福祉士試験はがむしゃらになって出題科目を勉強して合格を果たされた後、必ずしも実務に結びつくかどうかと言われればそうではないところも多いです。
これは国家試験の行政書士試験でも同じことが言えますが、試験内容と実務がかけ離れているという点から、やる気を削がれている受験生も毎年のようにいらっしゃいます。
ただ、社会福祉士として8年実務に携わっている経験則から述べますと、社会福祉士資格を取得したことで、ざっと思い出しても以下のようなメリットを感じています。
・受験勉強で自分との闘いに打ち克った忍耐力や達成感があるからこそ、仕事上で困難が待ち構えてきた際に、「あのとき頑張れたのだから、なんとかなる」と思える場面が増える。
・社会福祉士・精神保健福祉士試験のキーワードが「連携」であるからこそ、仕事上で行き詰まった時やストレス過多になった時、職域の限界を感じた時に他機関連携や職員との協働、自分で抱え込まずに痛み分けの共有を重視できる。
・社会福祉士試験取得過程で、事例検討等をする機会があったことで、他者との意見や見識を知り、業務上においてもその経験から広い視野で取り組むことができる。
こういってしまったら、やる気が削がれる方もおられるかもしれませんが、誤解をおそれずに申し上げると、合格後に社会福祉士・精神保健福祉士になった暁には、試験勉強以上の苦労が待っているものです。
辛いこと苦しいこと、我慢しなければならないこと、自分の力だけではどうにもならないこと、試験問題のように用意された正解が存在せずに自分で考えて取捨選択しなければならない場面が多々訪れます。
試験の世界では正しい答えを一つないし二つ選ばなければならないわけですが、実務の世界では正解が何なのかを常に考えて行動を続けることとになり、一つや二つと単純化できないものがあります。
そんな時に、この受験勉強で培った忍耐力というのが多かれ少なかれ影響してくるものです。
社会福祉士や精神福祉士の社会的や使命や需要が年々高まって来ているからこそ、簡単に誰でも受かるような資格ではあってはならないと感じることもあります。
社会福祉士も精神保健福祉士も名称独占資格ですが、体感的にはその認知度と評価は年々高まっているように感じています。
職務上利用者の方に資格名を名乗っただけで、信頼して相談してくださった場面も多々ありますし、有資格者でないと職に就けないという条件も増えています。
このブログとは別に活動しているカウンセリング・執筆活動の中でも、社会福祉士取得のおかげで仕事を与えてもらえたり、資格取得を目指して通信制の学校に通うようになられた方もいらっしゃいます。
また、受験時代に勉強した専門科目の知識が実務の中で再登場することもありますし、引き出しとして備えておくことで利用者や職員との会話で役に立ったことが多々ありました。
話は戻りますと、確かにこの試験はつかみどころがなくて、努力した実力がそのまま発揮できるのかと言えばそうではないこともあります。
ですが、何年も重ねて唱えていますが、たとえ内容は理不尽でも、やることをしっかりと継続していれば合格できる試験構成になっています。
ぜひ合格を果たして、みなさんのその先の世界の話をうかがわせてください。
2021年3月以降に、「この資格をこのように活用している」という体験談を楽しみにしています。