前回
試験終了から数時間も経たないうちに、和光大学高坂教授が解答を続々と公開し始めました。
自宅に向かう電車の中で、固唾をのみながら照らし合わせます。
それと同時に、ツイッターで受験生の感想をリサーチしましたが、「難しかった」という声が相当数目に飛び込んできました。
これは社会福祉士試験においても共通していますが、試験終了直後は同じような現象が毎年あるので、自己採点をしてみないことにはわからないとは思っていました。
それにしても、第4回試験終了直後の反応とは明らかに異なっており、今回は確実に難化したし、受験生全体の出来具合も良くなかったのではないか、と見立てていました。
自宅に戻り、夜になると高坂教授の解答も一通り揃い、全体的な自己採点を行った結果、143~148点というゾーンの点数になりました。
手応えがあった午前科目は80点を超えていましたが、手応えがなかった午後科目は第4回試験同様65点前後で、かなりの差が生まれました。
その後解答修正が数回あり、他の模範解答発表社と照らし合わせても、事例問題の割問が少なかったのもあり、143〜150点の間で点数が決まりそうな結果となりました。
第3回試験までならば、140点以上取れていればまずは一安心と思えるところがあったかのですが、第4回試験の143点という事実が生まれていただけに、私にとっては140点台では合格確定で安心できる立ち位置ではありませんでした。
加えて、合格発表日までマークミスの不安もついて回りました。
午前も午後も一通り解き終えた後に、最初から最後までミスがないか再確認したのですが、不安が残った理由として、2つのうち、絞りきれなかった問題を保留にしておいて最後にマークしたので、しっかりと記入できていたかの心配に悩まされるようになったのです。
絶対合格ブログ上では、「マークミスは杞憂ですよ」と伝え続けていましたが、「自分は大丈夫」とは言い切れない緊張感に支配され続けた40日でした。
試験終了後から、続々と各講師陣から試験分析や合格点に触れる発言が出るようになりました。
IPSAの浅井講師は、ライブ中継の中で、「難化した。138点か143点になるのではないか。138点でも40%を切るかもしれない」とおっしゃり、赤本著者の宮川講師も、「過去最高難度の問題レベルだった。138点になるのではないか」と分析されておりました。
更に難化を裏付けられるデータとして、プロロゴスによる受験生自己採点データ暫定値分析が公開されました。
その平均値が驚愕の138点だったのです。
第4回試験が156点、第3回試験が145点でしたので、合格率を大幅に絞るという結果にならない限り、140点台で合格できる可能性は高いと思えるようになりました。
※ツイッター上での集計結果
そんな中、受験生達のぼやきや試験の苦しみを笑いに変えた総統閣下の動画が作られました。
またたく間にバズり始めた現象を見ていて、自分だけではなくて多くの受験生が悪戦苦闘されて、合格の不安に覆われている様子がうかがえました。
そんな安堵の時間もつかのまで、その数日後には事態が一転する運びになりました。
辰巳法律研究所が開始した自己採点成績表を見ると、1500名の受験者数で、平均値が150点を超える高数値だったのです。
私の点数では、偏差値でいうところの40台後半に位置することになりました。
偏差値40台を見るのは、社会福祉士試験時に入力した、赤マル福祉の自己採点データ以来でした。
これを転機に、合格点が138点以上になる可能性が浮上し、138点未満はまずないという雰囲気に覆われて行きました。
この想定外の展開には、心が相当揺さぶられることになりました。
追い打ちをかけるかのように、数日後にプロロゴスより最終版の自己採点集計分析が公開されまして、なんと、平均値が154点という大幅な上方修正が明示されたのです。
二社による平均点150超えのインパクトはあまりにも大きかったです。
この逆転現象によって多くの受験生も、俄然不安になったのではないでしょうか。
辰巳さんの成績表は、社会福祉士試験赤マル福祉自己採点の現象とは異なり、入力者が増えるほど平均点も上がっていったので、上位成績者が多く入力している様子が想像されました。
入力者の母数は最終的に約2500名、平均点151.3でした。
実際の受験者数は3万人程度になることが見込まれていたので、過半数以上の受験生は150点以下であろうし、合格率が6割程度ならば143点以上にはならないだろうと思うようにしていました。
絶対合格絵馬企画を実施した際には、受験生のみなさんと私自身の合格成就を込めながら、8月26日に満開桜が咲き誇っている景色を想像していました。
第4回試験終了後と第5回試験の合格発表日までの40日が、ここまで異なるものなのかと思うほど、1日1日が長かったです。
合格点がどうなるのか、社会福祉士試験以上に予想しにくいところがあり、Gルートラストチャンスでもあったので、「絶対合格」へのプレッシャーと対峙し続けました。
合格発表日の1週間前になると、気持ちのソワソワがMAXになっていたので、落ち着かせるために、下記の著書を耽読していました。
志望校に合格するために、社会人を経て、9年かけて27歳で合格を成し遂げた濱井さんの実体験です。
公認心理師試験を再受験した私にとっては鑑のような存在で、一つ一つのお言葉や経験則が身に沁みるものがありました。
受験はゴール。
合格したことで人生が好転した。
このような言葉をおっしゃっていましたが、その先に進んだ人間だからこそそう強調できるものがあり、私も合格の先に進みたいと改めて試験への思いの強さを再認識できました。
そして8月26日、ついに天下分け目の合格発表日を迎えました。
14時から試験センターのHPで自分の点数以外の全てが公開されるので、意を決してアクセスしました。
13時59分には既にページが用意されていて、サイトが表示されにくいこともなく、あっさりと合格者番号を確認することができました。
試験終了直後にマークシート確認をした時と同じくらい慎重に、確実に、自分の番号(1A−0255)を確認すると・・・・・・
確かにありました!
実感がまだ湧いていない中、続いて気になっていた第5回公認心理師試験の合格点、合格率、正式解答を確認しましたが、なんと135点という史上最低合格点が目に飛び込んできました。
それでも48%の合格率だったので、いかに受験生にとって難関な回だったかを改めて知ることになりました。
議論を読んでいた問題が1問不適切問題になり、全社解答予想が一致した問いが1問外れていました。
この135点という数字は、私にとっては1日たりとも忘れることができなかった数字でもあり、他でもない初回受験時の点数でした。
合格発表後、気持ちが落ちついてきたタイミングで、額縁の中に不合格通知書を格納し、学習机の上の目立つ場所に設置していました。
約1年間、毎日135点を目視して、1年後、点数を上げて「合格」に塗り替える未来をイメージングし続けながら、試験へのモチベーションを維持してきたのです。
さて、合格発表後直後には、一緒に受験した仲間達の喜びの声がツイッターやブログ上を通して多数寄せていただき、自分のことのように嬉しかったです。
私も合格していたことを打ち明けて一緒に喜び合いたかったのですが、一年目に受験を決意した日から、「合格通知が届くまでは一切口外しないで受ける」と決めていたので、心の中で戦友達が合格した喜びを噛み締めていました。
そして合格通知が届いたのは翌々日の午後でした。
私の点数は147点でした。
7割以上ではありませんでしたが、135点が147点にアップして、「不合格」を「合格」に変化させることに成功できた安堵感は大きかったです。
自分の学習法が間違ってはいなかったことを認められた瞬間でもあります。
それから額縁の中身を合格通知に変えて、今も学習机の上に飾っています。この軌跡を勲章として残すために。
翌日には早速登録の申請を済ませて、年末に到着するであろう登録証を楽しみに待つ日々が始まりました。
これまで受験を応援してくださった方々に報告をすると、「仕事との両立でよく合格されましたね」という温かい言葉を掛けていただきました。
この体験談をご覧になっているみなさんは、公認心理師試験合格者かもしれませんし、次年度受験される方かもしれないですし、不本意な結果に終わった方かもしれませんし、別の資格試験を受けられる予定の受験生かもしれません。
私がなぜ不合格体験をあえて明かしたのかと言いますと、不合格になったことは本当に辛かったですが、回り道をしたことで、1年目には気付けなかった心理学の知識や言葉の深みを噛みしめることができたからです。
私にとっては本当の意味での学習は、2年目からスタートを切っていたのだと実感しています。
諦めずに続けていれば自分の血肉になっています。
今はわからなくても、個人差があってもそれを実感できる瞬間が必ず訪れると信じています。
この不合格体験の恩恵として、順調に進んでいたら決して見えない世界や、うまく行かなくて苦しんでいる方の視点を学べたように思えています。
これから仕事でも、この絶対合格ブログでも、公認心理師試験受験で培った知識や経験を還元して、試験に対して恩返しをして行きたいと思っています。
絶望から始まり希望で終わった私の公認心理師試験体験談はここで終わりになりますが、次回2年目の勉強法をまとめて紹介して締めたいと思います。