この記事では、拙ブログが紹介している「国家資格キャリアコンサルタント」(以下キャリコン)資格ってなんだろう?について私見を踏まえてまとめた記事です。
- キャリコンって全国にどのくらい登録者がいるの?
- キャリコンのメリットは?
- キャリコン有資格者が増えているわけ
- キャリコンを学ぶことで自分のキャリアを見つめ直せる
- カウンセリングの基礎を学べ実践できます
- キャリコン試験を目指したくなったら
キャリコンって全国にどのくらい登録者がいるの?
厚生労働省は、「キャリア・コンサルタントの現状及び養成計画策定の方針」において、キャリアコンサルタント及びキャリアコンサルティング技能士(1級・2級)を2024年度末までに累計10万人養成する計画を策定しています。
国家資格キャリアコンサルタント登録数は、2024年3月末時点で(第24回試験終了時点)、72,567名で、キャリアコンサルティング技能士の総数は、2022年3月末時点で、11,219名(2級10,656、1級563名)となっています。
最新の第25回試験結果(学科・実技両合格者数)がCC協議会1,735名で、JCDA603名の合計2,338名ですので、この流れで行くとギリギリ目標値には足りないような気配がします。
※国家資格キャリコンは、5年更新制ですので、登録者が更新せずに失効している数も影響しているためです。
とは言え、最新の第25回試験結果を見ると、JCDA協議会とCC協議会開催分を見ても、第24回試験比で、1000名程も受験者数が増加しているので、非常に注目度が高くニーズが広がっている証でもある試験であると言えます。
先日記事に扱った元AKBメンバーの武藤十夢さんがCC協議会試験を受検して合格されたように、これまでに見られなかった受験層の傾向も出てきています。
キャリコンのメリットは?
では、キャリコン試験のニーズがなぜ高まっているのか、そしてメリットは何かという点について、私見を込めてまとめてみました。
まず、なぜこの資格のニーズが高まっているかというと、「時代の変化」に対応して、キャリア形成を行う人々を応援する役割が求められているというのが一つです。
みなさんご存知のように、コロナ禍や昨今のDX化を経て、これまでの常識が覆ったり、テレワークという働き方が登場するなど、従来にはなかった生き方を取捨選択する時代に突入してきていますよね。
そこに来て、人口減少や超高齢化社会によって労働力が減少しており、高齢者や障がい者、女性、外国人労働者の社会参画が拡充することで、「ダイバーシティ」と呼ばれる人材不足を解消するための生き方や企業の受け入れが課題なってきています。
実際、令和6年4月時点で、外国人労働者人口は200万人を超え、障がい者の法定雇用率は2.5%で前年度よりも増えています。
令和4年データで、女性の就業者数は 3024万人で前年比22万人増で、令和5年9月のデータで、2022年の65歳以上の就業者数は21年より3万人増えて912万人でした。1968年以降で過去最多を更新しています。
こうして見ると、働き口が増えたという見方ができますが、一方で、「自分にはどんな生き方が向いているのか」とか、「様々な人間関係とコミュニケーションを構築することの難しさや課題」を肌で感じる場面も増えてきます。
「人生100年時代」と呼ばれるように、転職は当たり前の時代となり、「ジョブ型雇用」という言葉のように、企業にとって必要な職務内容に応じて、職務を実行するために必要となるスキル、経験、資格などを持つ人材を採用する雇用が少しずつ広がっています。
専門性が求められるようになり、自分の生き方、キャリアというものを否応にも向き合わなければならない現代社会で、キャリアコンサルタントの資格を持つ人間が、キャリアの専門家として、寄り添いながら、自立を促して行く役割として期待されているのです。
ところで、この「キャリア」という言葉ですが、キャリア=働くことと同義語に見られることが多いですが、決して就労だけではなくて、ボランティア等の啓発的行動も含まれます。
退職後のセカンドキャリアや自己啓発として、働くこと以外の選択肢を提示し、情報提供する役割もキャリコンの役割の一つでもあります。
キャリコン有資格者が増えているわけ
キャリコンのニーズが高まっている背景のもう一つの理由として、キャリコンの有資格者が求められている会社が増えているとも言えます。
例えば、大学の学生サポートセンターや、大学・小中高校でキャリア教育を推進する場面、障がい者就労支援事業(就労移行等)、地域若者サポートステーション、ハローワーク、障害者職業センター、職業訓練校等、民間の人材コーディネーター企業等では、キャリコン資格が必須であったり、資格手当を出している会社も多いです。
また、「セルフ・キャリアドック」と呼ばれる、従業員が主体的にキャリアを形成して行くための仕組みを導入する企業も、キャリコン有資格者を積極的に推進している場所もあります。
このように、有資格者としてのニーズが存在しているために、資格取得者が増加していると考えられる背景があります。
一例
キャリコンを学ぶことで自分のキャリアを見つめ直せる
キャリコン資格ニーズの一つとして、「自分自身のキャリア構成」について見つめ直すことができる。そして、自律的に選択できるようになれるという理由も考えられます。
前述した点は、キャリアの専門家として、他者を応援する立場としての視点でしたが、キャリコン試験の学習課程は、キャリアに関する基礎を体系的に学べます。
他でもない自分の生き方についても再認識し、いざという時に自分で考えられる知識を得ることにもつながります。
カウンセリングの基礎を学べ実践できます
キャリコンのメリットとして、「カウンセリングの基礎」について学べる点もあります。
キャリアに関する体系的な知識の中には、実際にキャリア面談を行う際に必要なカウンセリングの基礎について学習できます。
一番大きな特徴は、面接を通してロールプレイの形で、カウンセリングの技法を実践することです。
実技試験では、実際にキャリアの悩みを抱える相談者役に対して、15分間、自由な展開で実技試験を行うのです。
私がキャリコン試験に挑戦したいと思った動機の一つがこの面接試験にチャレンジしてみるためでした。
実務経験で受検した私は、自分の職歴やカウンセリング技法が通用するのか知りたいという理由で、この実技面接に対しての思い入れがありました。
既に社会福祉士、精神保健福祉士、公認心理師国家試験を受験していたのもあり、カリキュラムの内容も共通している点もあり、特に学科試験はアドバンテージをかなり感じました。本番で90点を超えたことからもそう振り返っています。
キャリコン試験を目指したくなったら
ここまでキャリコンのメリットやニーズの背景についてまとめましたが、いざキャリコンを目指す気持ちになった時に、まずは受検資格を得る必要があります。
主には2つありまして、「実務経験」か「養成講座」になります。
私は前者の実務経験ルートで受検しています。
キャリアコンサルティングに関する職業選択や能力開発・向上に関する相談の実務経験が3年以上ある場合に、受検申請を行って試験センターに判定してもらいます。
受験票の発送を持って通ったことを知れるので、実務経験で受けた公認心理師試験同様に、駄目だったらどうしようという不安が直前までつきまといました。
実際に不備があった場合は、事前に試験センターから連絡が来るようです。
そして、一番多いのが「養成講座」ルートです。
実務経験がない方は、養成講座でじっくりと学ぶルートになっています。
合計150〜180時間程の講座内容で、費用は25万〜50万までと、実施団体によって異なります。
めちゃくちゃ費用がかかると感じられる方も多いと思われますが、一定の条件をクリアした方は、「専門実践教育訓練給付制度」を活用でき、講座全体の70%が後日支給されます。私の周りの受講生もこの制度を使った方が数名います。
以上、試験を踏まえてキャリコン試験についてまとめてきましたが、今後キャリコンのニーズはより高まって行くことが想定されます。
キャリコン資格単体だけではなくて、キャリコン+別の資格、もしくは経験と組み合わせることで、みなさん自身のやり方で展開できるはずです。
私はキャリコンに登録して一年が経ちますが、これからも自分なりの活かし方を模索して行きますので、ぜひみなさんが登録された暁には、ご意見を聴かせてくださいね。
PS:次回のキャリコン試験は、第27回開催になります。
学科論述試験日は2024年11月3日(日)で、受検申請期間は、
JCDA:2024年8月19日(月) 〜 2024年9月2日(月)
CC協議会:2024年8月16日(金)~2024年8月29日(木)
になります。