これから初めて受験される方にとってみれば、
「偏差値の高い大学の受験生は、毎年ほぼ全員が合格しているのに違いない」と、先入観を持っていませんか。
今回は、高学歴の受験生に対して億劫になっている方に向けて、本試験が学歴によってアドバンテージがあるのかどうかについて考えていきたいと思います。
社会福祉士国家試験における受験者の合格率は、毎年大学別に公表されています。
最新の第28回試験のデータを参照にします。
例年のことながら、受験者数が10名以上の大学の上位ランキングを見てみると、1位から20位までで際立つのは、国公立大学の多さです。
冒頭に書いた8割以上の合格率(総数)を出している大学は、上から順に、
名古屋市立大学 91.7%
大分大学 85.3%
大阪市立大学 84.6%
徳島大学 83.3%
の4校です。
全て国公立大学です。
次に50位までの大学の中で、いわゆる難関大学だと評されている一部の私立大学の合格率(総数)を挙げると、以下のようになっています。
( )は前年度の合格率です。
早稲田大学 40.4%(52.4%)
立教大学 42.4%(48.4%)
上智大学 36.5%(44.9%)
同志社大学 43.7%(40.7%)
関西大学 64.3%(35.7%)
前年度と比較すると、関西の私大の合格率が向上しているのが特徴でした。
特に関西大学の飛躍ぶりは印象的ですね。
この数字を見てもわかるように、私立最難関の早稲田大学や上智大学ですら、全体受験者の4割程しか合格していない実態がわかります。
そして、今回注目なのは、一般養成施設の合格率トップ4です。
京都医健専門学校(夜間) 85.7%
東京福祉専門学校(昼間) 84.4%
大原医療秘書福祉保育専門学校(夜間) 82.6%
埼玉福祉専門学校(夜間) 80%
仕事と両立しながら在学していると思われる社会人学生達の底力とモチベーションの高さが合格率からも伝わってきます。
この学校別の合格率を比較するように、偏差値が高い大学だからと言って、必ずしも誰もが合格しているわけではないんです。
受験者の中には、記念受験で受ける人もいれば、なめ切っていて、全く勉強しないで受ける人などが必ずいます。
もしかしたら、一般企業への就職や大学院進学に切り替えていて、本試験に力を入れなかった学生もいるかもしれません。
いくら大学入学時の大学偏差値が高いからと言っても、しっかりと本試験用の対策を練って本番に臨まなければ通用しません。
もしも、
高学歴の人間と肩を並べて受験しても、自分が受かるはずがない。
と、気後れしている方がいたら、ぜひその杞憂を消し去っていただきたいです。
本試験に求められているのは、大学の偏差値の多寡ではなくて、出題レベルを突破できるだけの学力があるか
どうかだけです。
私の周りには、私を含めて、偏差値の高い大学出身でなくとも、合格している人がかなりの数います。
むしろ、学歴コンプレックスだったり、「合格して見返したい!自分を変えたい!」という強いモチベーションがある方が共通して受かっています。
本試験において、学歴が合否に大きく左右することはありません。
やれることを着実に重ねていってください。
結果はついてきます。