これから社会福祉士・精神保健福祉士試験を受験される方にとっては、出鼻をくじかれるような発言に聞こえるかもしれませんが、どれだけ当日まで問題集やテキストを読み込んでいても、本試験では初めて目にする新出問題が毎年のように登場しています。
例によって赤マル福祉のサイトを参考にすると、第32回社会福祉士試験を分析すると、自己採点入力の正答率が40%以下の出題を「難易度高」として、下記の数が出題されていました。
難易度:高
テキストや参考書の細部まで理解していなければ正解できない問題
過去に出題実績がなく、ほとんどの方が知らない、いわゆる難問・奇問
合格者・不合格者ともに正解できる人が少なく、あまり差がつきにくい共通科目
15問
社会専門
12問
精神専門
16問
これらの問題数を見てもわかるように、初見の出題は、避けては通れません。
いざ初見の問題が飛び込んできた時に、「なんだこの問題は、全くわからない」と衝撃を受けるかもしれませんが、他の受験生も同じような感覚に陥っている可能性が高いです。
その証拠として、赤マル福祉の自己採点サンプルでは40%以下の正答率になっているわけですからね。
話題に上がった2022年度第5回公認心理師試験においても、問1から「いきなり絶望」と揶揄された問題が待ち構えていました。
問 1 個人情報の保護に関する法律における「要配慮個人情報」に該当するものを 1 つ選べ。
① 氏名
② 掌紋
③ 病歴
④ 生年月日
⑤ 基礎年金番号
個人情報問題は頻出していましたが、「要配慮個人情報に該当するものなんて知らないよ!」と、出だしから心を折ってしまった受験生が多数いました。
1問目からメンタルを削られてしまうと、そこから立て直すことが難しくなってしまうリスクがあります。
対策として、
「たった1問できなくても受かる」と念じ、わからないループから回避してください。
たった1問や数問で合否は決まらず、7割受かれば受かる試験だからです。
他の基礎問題を解ければ合格できるように作られているので、とらわれる必要はありません。
試験構成からして、初めの方に難問が多いと、中盤から後半にかけては、比較的解きやすい問題が複数用意されているようなケースが見られます(第5回公認心理師試験午前科目はそうでした)。
社会福祉士試験の場合は、午後の専門科目の事例問題等がその筆頭ですね。
そうは言っても、いざ本番で見たことがないような問題が続くと、焦る気持ちやプレッシャーが押し寄せてきてしまうかもしれません。
次によくあるパターンとして、
二つまでは絞れるけれども、一つに決めるのが難しい
というジレンマにも襲われるかもしれません。
第35回社会福祉士試験や第25回精神保健福祉士試験は前回よりも合格点を低く設定するために、一つに絞り切れない出題形式を多数用意する可能性があるので、事前に意識しておくことが大切です。
頭では「知らない問題が出るに違いない」とわかっているつもりでも、本番は時間制限がかけられている中で、悩み立ち止まっている余裕がないという状況なので、正常な判断がしづらくなるという事情があります。
窮地に立たされた時ほど「直観」で選択したものを優先されることをお勧めします。
問題文と選択肢を目にした時に、とっさに「これだ」と選んだ解答が実際に正解だったという確率は意外に多いものです。
私は第4回公認心理師試験で、直観で選んだ解答を数問変更し、全て不正解だったという痛い経験をしています。
条件反射のようにとっさに解答できてしまうと、マークをし終えた後になって、「でも、よくよく考えたら違う選択肢の方が正しく見えてきた」と、深読みしたくなってしまうのですよね。
後の祭りですが、もしも修正していなければ合格点にギリギリ届いていたので、後悔先に立たずとはよく言ったものだと身を持って証明しました。
二つまで選べたものの、深く悩みすぎて時間を大幅にロスしてしまうだけではなくて、みすみす正解を逃してしまうのは、試験終了後になって深いダメージが残ってしまいます。
第4回公認心理師試験午前科目終了後、休憩時間に入ったものの、気になって仕方がなく、修正した問題だけ自己採点してみたら、全て不正解だったことが判明したので、かなり気落ちしてしまい、午後の試験に悪影響を及ぼしてしまいました。
周りを見渡しても、私以外に自己採点に固執しているような受験生はおらず、やってはいけない行為だったと振り返っています。
ちなみに、「直感」と「直観」の違いは下記が参考になります。
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直観は、論理的に説明ができる。
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直感は、論理的に説明ができない。
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直観は、速いスピードで頭に浮かぶ。
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直感は、意識にも上がってこない。
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直観は、経験や記憶から意識的に処理される。
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直感は、経験や記憶から無意識に処理される。
直観がいかに大切であるかは下記のサイトでも触れられていますが、事前学習した蓄積があって直感が冴えている証なので、本番で選択に迫られた場面では、心からのサインを見逃さずに従ってみてくださいね。