社会福祉士試験に留まらず、近年の国家試験は難化傾向にあることは、以前から取り上げてきました。
試験傾向のポイントは下記の通りです。
・過去問をただ暗記しただけでは解けないような、基礎知識を使いこなせるかどうか試される応用問題が増えた
・問題文や選択肢から何を問うてるか判断できる読解力と瞬発力が求められている
・難しい問題とシンプルな問題が散りばめられている。かなり細分化したような捻った問題が増えている
・社会問題、現場実践型の出題が増えている
このような傾向が共通しています。
これは、専門職に求められる素質として、柔軟な思考を持っていて即断力を持つ人間であるというニーズが浮き彫りになっているのかもしれません。
実際に昨日記事にした社会福祉士・精神保健福祉士養成課程の見直しの中でも今後のねらいや目的が触れられています。
「ニーズの多様化・複雑化に伴い、既存の制度では対応が難しい様々な課題が顕在化してきている」と説明。そのうえで以下のようにまとめていた。
「社会福祉士にはソーシャルワークの機能を発揮し、制度横断的な課題への対応や必要な社会資源の開発といった役割を担える実践能力を身に付けることが求められている」
「社会福祉士には地域住民の活動支援や関係者との連絡調整などの役割を果たすことが求められている」
試験が複雑化しているからと言って、戦々恐々とならなくとも大丈夫です。
自分が信じた問題集やテキストを反復学習することをベースに、福祉ニュースに関心を広めたり、読書等から読解力を深めることで応用力が身についていきます。
第25回試験以降から生まれた「正しいものを二つ選べ問題」にしても、求められているのは確実な知識です。
制限時間というプレッシャーの中、蓄えた知識を的確に取捨選択できるかの分かれ道は基本の基を理解しているのかです。
出題者の意図をくみ取りながら、全150問をぶっ通しで解き続けるのは相当な集中力を要しますが、全力を尽くした者に結果はついてきます。
難しく考えることはなくて、ポイントは、いかに心が折れずに、気持ちを切り替えてオーソドックスな問題を取りこぼさないかにかかっています。