「ソーシャルワーク」とは何なのか。
一部の方にとってみれば愚問で常識的な投げかけに聴こえるかもしれませんし、改めてそう問われると、明確な答えが浮かばないという方もいるかもしれません。
Wikipediaでは、
ソーシャルワークとは、社会に対しては
①社会変革、
②社会開発、
③社会的結束を、個人に対しては
①エンパワメント、②解放を促進する実践を意味する。
また、その実践を発動・継続する根拠は
①社会正義、
②人権、
③集団的責任、
④多様性の尊重であり、その対象は、①社会の様々な構造、②実践を必要とする人々である。
とあります。
続いて、社会福祉士とソーシャルワーカーの違いについてと問われたとしたら、いかがでしょうか。
キャリアガーデンでは2つの違いを下記のようにまとめています。
双方を比較する際には、まずソーシャルワーカーという相談援助業務を手掛ける役職名があり、そのなかに、社会福祉士の国家資格をもった人もいる、というふうに考えると、わかりやすいかもしれません。
なぜこのような基本の基とも言えるような話題を出したのかと言うと、遡ること1年前に起こった「社会福祉士としてのあり方」を見つめ直すきっかけとなった社会活動家の藤田孝典氏の発言が起因しています。
そして、その後すぐにかんねこさんは、「ソーシャルワークとは何か」という問いに対して、福祉職に携わっていない方でも理解しやすいようにnoteにまとめられました。
藤田孝典氏は社会福祉士として最も有名な人物の一人というくらい名を馳せていますが、生活困窮者支援に尽力されています。
大学や社会福祉士会主催の講演活動を広く展開されている他、最近ではツイッターでの給付金デモという形で毎日SNSで市民に呼びかけています。
藤田氏は自身の信念により、ソーシャルアクションという形で世の中の構造を変えるべき魂を込めているように感じられます。
実際のソーシャルワークの世界では、試験のように「正しいものを一つ選べ」という絶対的な問題解決法が定まっているわけではありません。
藤田氏のソーシャルワーカー、社会福祉士に対しての見解について私も意見を述べたこともありました。
ソーシャルワーカーが社会福祉士有資格取得とイコールではないことは同感ですが、最後の社会福祉士恥ずかしいというご指摘は社会福祉士全体を貶めるな意味合いに感じるので、そうでないならば補足を加えていただきたい。
— tAkA©資格伝道師WEBライター (@zettaigoukaku59) March 20, 2021
現役社会福祉士や目指す方にとって誤解を与えかねない。 https://t.co/HH2PRXYCLC
現場で活動されている方も自分なりの正義や使命感に駆られて取捨選択しながら支援を続けられていますが、こうして原点回帰をすることで、自分の感情や私欲に従って行動を起こしているのか、理論を基盤として行動しているのか、相手のニーズに沿ってアプローチしているのかを見つめ直す作業を欠かしてはいけないと私自身も痛感しています。
これから社会福祉士や精神保健福祉士を目指される方や、既に登録されて活躍されている方も、「ソーシャルワーク」とはという原点を時々振り返ってみてください。
「己」の倫理観なのか、「ソーシャルワーカー・専門職」としての倫理観なのか、すり合わせをする作業にもつながります。