新内閣が始動した中で、「労働時間規制緩和」が話題に上がっており、働き方改革の見直しが議論されています。
現行規制では、月の残業時間の上限を100時間未満等と定められており、過労死ラインは一般的に月80時間以上と言われています。
働かれている皆さんの残業(時間外労働)事情はいかがでしょうか。
私自身、月80時間以上の経験はありませんが、50時間くらい時間外労働を重ねた月がありました。
管理職に就いた1年目(30代)で、部署が移転したこともあり、年度初めの4月は体制を整えるために時間内では足りずに、毎日21時近くまで取り組んでいました。
その当時の私の心境はと言うと、非常に充実していました。
時間外労働に嫌悪感はなく、新しく職場を築き上げるワクワク感や、正直月収は高くなかったので、時間外労働が蓄積するほど給与が上がっていく喜びがモチベーションとなっていました。
恐らく交感神経優位で、アドレナリンやドーパミンが過剰分泌されていた状態だったのだと思います。
そうは言っても月末には疲労困憊で、こんな状態が翌月も翌々月も続いたら、身も心も持たないことを悟り、期間限定だから受容できたと振り返っています。
更に前にさかのぼります。
職員の残業時間が最大100時間を超える社会福祉士専門職の職場で数年間働いていたことがありました。
仕事の特性からして、夜間の家庭訪問や緊急対応が頻繁に行われる部署でもあり、膨大な事務処理に割ける時間帯が日中は難しく、どうしても夜間になってしまう事情が後押ししていました。
労働の対価として収入は相応のようでしたが、代償として健康を害してしまう職員もおり、一番衝撃的だったのは私の上司が体調を崩して亡くなってしまったことがあったことです。
亡くなる二か月前に、私は転職活動を行っていたのですが、福祉業界はどこを探しても月収20万から25万くらいが平均的で、その切実な事情を上司にしたのです。
すると、嬉々としていかに自分の貯金があるのかについて、自慢するかのように語りかけてきました。
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恐らく、いかに自分の置かれている環境が恵まれているのか(待遇的に)を再認識されたことでしょう。
そんな上司が数十日後に40代前半の若さで急逝することとなり、死生観が大きく揺るがせられました。
日々の蓄積によって、ある日突然心身に異変が生じることは珍しくはありません。
置かれている環境によって、時間外労働が当たり前であったり、残業がなくても過労状態で頓挫する可能性は誰にでもあり得る話です。
そのようなリスクを避けるためには、どうしたら良いのでしょうか。
「常識」にとらわれずに、「心のSOS」に耳を傾け認められるかどうかではないかと私は思います。
常識とは、今身を投じている世界の「当たり前」です。
残業するのが当たり前の空気。
誰にも相談できずに抱え込むことが当たり前の空気。
経験者や役職の言うこと、指示が優先されるのが当たり前の空気。
有休を使用せずに、仕事優先が当たり前の空気。
休日や時間外に職場の行事や社外交流に参加するのが当たり前の空気。
これらのような当たり前の空気に飲み込まれ続けることで誰が得をするかと言うと、一番は使用者なのですよね。
同じ方向に従い続けてくれるような人間は重宝されるでしょう。
その世界で生き抜いて行くためには、道化を演じてでも権力者達に迎合することは、能力以上に必要な処世術かもしれません。
けれども、その度に自分の心に嘘をつき続けて、じわじわと心が疲弊し続けていたとしたら、どうでしょうか。
感情労働につきものの「表層演技」、「深層演技」という心理用語がありますが、長期化することで、心身に深刻な悪影響が及ぼされるリスクがあります。
ある世界の常識はもっと広い世界からしたら非常識。
まず、労働者は上の人間にとって都合の良い駒ではありません。
私は自分を押し殺してまでその世界に浸かり続けることに限界に達して脱却した過去があります。
人生に何の保証もしてくれませんし、どれだけ会社に忠誠心を持って貢献しても、都合が悪くなったら切り捨てられてしまうという結末を嫌と言うほど目にしてきました。
福祉業界は財政的に余裕がない職場が多数存在すると思います。
生存争いのために競争の連続で、しわ寄せが多方面から従業員に降りかかってきます。
そんな時こそ、当たり前の常識を再認識して、場合によっては長期休暇を使う等していったん置かれている環境から離れてみること。
リセットまではできなくても、ニュートラルな視点を持つことが「自分の道」を見直す上で大事です。
そして、「おかしいよ」とか「大丈夫?」と冷静に指摘してくれる人間の声を蔑ろにしないこと。
渦中に置かれていると、感覚が麻痺して何が常識かどうかの判断が鈍る可能性があるからです。
どこの職場も、求められるハードルが日に日に高くなっていないでしょうか。
心の浪費が不可欠なことで余裕も希望も持てずに、かといって辞められずに漫然と仕事を続けている方が少なくないように感じています。
「ワークライフバランス」という言葉がここにきて再注目されていますが、これからは心のワークライフバランスがより重要視される時代に進んでいると思います。

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