二か月以上前に、宅建試験体験談から見る学習法確立の重要性を掲載していましたが、3年目の記録を公開しないまま今日を迎えてしまったので、遅ればせながらこのタイミングで記事にします。
2年連続の不合格。
圧倒的勉強不足の結果によるその現実を認めざるを得ませんでした。
気が付けば3年目で、今年で宅建試験とはケリをつけるべく、まずは勉強法を見つめなおすことにしました。
独学を自己分析で臨み続けることに危険性を感じた私は、受験のプロフェッショナルが指南する受験本を探すべく書店に赴きました。
そこで礎となる2冊と出合うことができました。
『過去問で効率的に突破する!「宅建試験」勉強法』
『宅建 マル秘裏ワザ大全』
これまで独学のためのテクニックや学習法が充実している宅建本というのは、私が知る限りはありませんでしたが、この2冊はまさに私が実践している過去問を使って突破するための羅針盤でした。
裏ワザ本は、公務員試験版、センター試験国語版を購入済みでしたが、この本もシリーズに共通しているように、「選択肢を並べただけで、解答を導き出す方法」「選択肢の言い回しで正誤を判断する方法」等が掲載しています。
『過去問で効率的に突破する!「宅建試験」勉強法』の教えに沿った問題集として、過去問題集に選んだのは、
『2011年版 うかるぞ宅建項目別過去問』です。
全300問近くあったため、5年分以上の過去問をこなすことができ、合格ライン50点中の35点到達レベルのためには、最も自分に合った問題集でした。
40点以上を目指して確実に合格を果たしたいのならば、10年分(500問)の問題集を使った方が良いという合格者の声もありましたが、私の場合は自分のキャパシティからして、5年分くらいの分量が適切でした。
新年が明けて4月までは、『過去問で効率的に突破する!「宅建試験」勉強法』『宅建 マル秘裏ワザ大全』の2冊を精読しながらこれから本腰入れるための勉強法を定着させていました。
そういう咀嚼を繰り返しながら、エンジンを入れたのは5月頃からです。
そこで待ち受けているのは、「忘却」という名の恐怖でした。
3年目なのに、すっかり抜けきっている。
しばらくぶりに問題を数問解いてみたところ、自分の記憶力の悪さに戦慄を覚えました。
5月頃から勉強をリスタートした私は、下記のような本試験頻出・重要事項をおさらいしたところ、壊滅的でした。
・37条と35条の記載事項
・防火地域・準防火地域内の制限
・農地法3条、4条、5条許可
細かい数字やそれぞれの特徴等、きれいさっぱり忘れているのです。
2年も勉強してきたあの日々は何だったのか。
宅建合格発表後から数か月ブランクがあっただけで、これほど忘却しているとは、3年目にして何とも言い難い恐怖を覚えました。
だからと言ってここでドロップアウトするわけにはいきません。
救いだったのは、勉強の習慣が1年目、2年目でしっかりと体に染みついていたようで、違和感なく勉強を継続することができたことです。
脳が全部錆びついていたら、リベンジ受験は果たせなかったことでしょう。
得点源の宅建業法ですら、「○○日」という頻出部分の数字はほとんど忘れていて、ショックが拭いきれませんでした。
しかしながら業法で大量得点しないと不合格が必然になる現実から、とにかくしつこいくらい何度も繰り返して、覚える他手段はありませんでした。
まだ時間はある。
過去は、過去として、これからまた新しく学んで定着していけば良いというように切り替えていったのです。
私は、宅建科目の「法令上の制限」分野が民法と同じくらい苦手でした。
都市計画法、建築基準法等、私生活で関連があるようで実際にはなじみの薄いような内容です。
勉強していて内容の具体的イメージが湧かないからです。
1回、2回、3回、4回、5回繰り返しても覚えていない過去問が続いた時は、さすがに投げ出しそうになりました。
もう3年間勉強していたという過去は意識しないようにしていましたが、自分の記憶力の悪さと何度も覚えられない苛立ちから、
「もうここらが諦め時じゃない」という悪魔のささやきが何度も耳に入ってくるような錯覚に陥りました。
そんな時は、いったんその分野から離れてみて、比較的解きやすかった宅建業法を復習して自信回復してから戻ってくるというような作業を重ねていました。
こんな悪戦苦闘の末、5回目までに覚えられていなかった問題が、6回目以降には解けるようになるという体験を初めて実感しました。
この境地に達した後、初めて解放感、爽快感が芽生えました。
この感覚がないと、宅建学習は持続できなかったでしょう。
自分は物覚えが良いわけではないですし、法的センスが優れているようなタイプではないので、がむしゃらに反復学習してインプットする他ありませんでした。
既に3年目の宅建学習ですが、不思議なことに繰り返せば繰り返すほど新しく世界が広がっていくような感覚でした。