ずっと苦手なあいつから逃げてきました。
あいつの正体は「勉強」です。
私にとって何のために勉強をするのか、やらされている感に抗うかのようにあいつから逃げ続けてきました。
とくに私は数学が大の苦手で、中学時代は一桁の点数を連続で出すくらい、この教科に身体が拒絶反応を示していました。
高校に進学しても数字を見るだけで「自分には複雑すぎて理解できない」と弱腰になってしまうようになったのは、学生時代に植え付けられたコンプレックスが大きく影響していました。
臭いものには蓋式の人生を進めれば楽ですが、いざ社会に出るとそうはいかなくなります。
苦手なことから逃げることで自分だけが損するだけではなくて、周りを巻き込んで迷惑をかけてしまうようなこともしばしばありました。
そんな学生時代に取り残してきた課題を30代になってからですがやり直すために、FP技能士検定にチャレンジしたという動機がありました。
「やり直す」というと大げさに聞こえますが、コンプレックスを認めてほんの少しでも数字嫌いを克服したいという思いが逃げ腰の私を後押ししたわけです。
いざ学習を始めると、案外物事はシンプルで、頭で考えるよりも数式は複雑ではなくて、なるようになるということが分かりました。
やる前に見切らずに、向き合ってみると、点と点がつながって答えを導き出せるようになる。
得意分野を伸ばしているのとは違う爽快感がそこにはありました。
学生時代に「苦手だから自分には無理」と決めつけてしまったことでどれだけ世界を狭めていたのか、30歳を過ぎて初めて気づいた瞬間でした。
そうは言っても今でも数学が苦手という意識は変わりませんが、FP技能士に挑戦したことで、数学全般が苦手なのではなくて、「生活に必要な計算ならば、なんとかやれる」という意識にチェンジしたのが収穫です。
話は戻りますが、社会福祉士試験や精神保健福祉士のカリキュラムでも、「苦手分野」というものが誰しも一つはあると思われます。
「苦手分野は最低限に、得意分野でカバーしよう」と唱え続けている私ですが、敢えて苦手分野にチャレンジすることで「常識の殻を打ち破った自分」と出逢うことが出来るかもしれません。
もちろん、第一優先は「合格」でしょうが、その合格の後に待っている幾多の困難にもめげないメンタルの土台を培えるようになるのです。
私が社会福祉士試験の事前学習で苦手分野ワースト3だった「社会調査の基礎」ですが、オリジナル語呂合わせを作りながら何度も何度も繰り返しているうちに少しずつイメージが膨らんで行く変化を感じ取ることが出来ました。
いざ本番で思いの他正答率が高かったことで、苦手だと思っていた課題も角度を変えれば、実は思い込みで、やってみないと分からないことを身を持って体感したわけです。
社会福祉士の仕事に就いた後も、統計資料を読み解いたり、エクセルで作成するような業務に取り組むことがありましたが、社会調査と基礎を乗り越えた経験が後押しして全う出来たような経験もありました。
今は苦手分野だと気が引けていても、あと一ヶ月で意識変革が起こる可能性は十分に有り得ます。
本番では苦手科目だったのが得点科目になっていたという逆転ストーリーも、大勢の合格者が経験しています。
リベンジ合格を果たされてきた先人達の軌跡を振り返っても、不可能を可能にチェンジ出来たのは、最後まで諦めなかった人間の特権です。
苦手と闘った勇者達は、2月4日の決戦日に二人で幸せへと変わりやす!