社会福祉士第31回試験、精神保健福祉士第21回試験を振り返っても、基礎知識を固めることの重要性が浮き彫りになってました。
そこで要になるのが過去問です。
「過去問は通用しなくなった」
という受験生の声が毎年のように聴かれますが、それでは過去問を一切使わずに合格を目指すとしたら、どのような勉強法で臨むのかと考えた時に、具体的な方法が浮かばなくなってしまう方が多いのではないでしょうか。
「通信教材や学習塾に通う」という方法を思いつく方もいらっしゃるかもしれませんが、教材のベースになっているのは他でもない「過去問」であることが多いです。
過去問で合格出来なくなったのではなくて、過去問の使い方やこなす量が重要であると言えます。
その点に関しては今後ブログの中で取り扱って行きたいと思います。
過去問が大切なのは、受験生にとってだけではなく、試験製作者側にも当てはまります。
大学教授や弁護士等の有識者による63人以上の試験委員が試験問題を作成するにあたって、参考にするのは、他でもない過去問です。
過去に出題された問題をベースに使えば、誤植や不適切問題を防ぐことができる意図もあるからです。
不適切問題は、次回からは覆轍を踏まないように留意できます。
かつて試験問題として使われていた通常の問題は、アレンジする上で差支えがないのです。
(第28回社会福祉士試験では第22回試験以来新カリキュラム初の不適切問題が2問あり、第31回試験は合格発表後に1問発覚しましたが、このような事例は少ないです)
試験委員が整合性を保った問題をリリースするためにも、過去問の存在が羅針盤となります。
第24回本試験からは、「正しいもの(適切なもの)を一つ選ぶ形式」にシフトしました。
第32回以降も恐らくその流れが考えられます。
正しい型を選ばせる出題ならば、問題製作者側からしても、根拠をはっきりと用意しておけば不適切問題を回避できますし、誤った選択肢を自由自在に作りやすいですからね。
今後は、正しい型や、試験重要キーワードをインプットしていく学習方法は欠かせなくなるでしょう。
第31回社会福祉士試験の結果から、赤マル福祉は以下のように所感をまとめられました。
受験者数は前回(第30回)より2,300人ほど減少し、前々回(第29回)に引き続き減少した。合格者数は1,200人ほど減少し、全体の合格率は28.9%となりました。
続いて、合格基準点です。多くの方が注目していると思いますが、89点となりました。これは前回(第30回)の99点より10点も低くなり、前々回(第29回)までの水準に戻ったといえる試験結果でした。なお、共通科目免除の場合の合格基準点は39点(67点満点)であり、前回より4点低くなりました。
今回の合格基準点だけを見ると89点(得点率59.3%)であり、合格基準の目安である6割に近い水準となりました。10点以上の合格基準点の変動が2年連続で続いており、前回の試験で涙をのみ、今回の試験で何としても合格したいという想いで再チャレンジされた方も大勢いらっしゃいます。前回の試験は一体何だったのだろうか?疑念を感じる方もいらっしゃるのではないのでしょうか。その一方で、問題を作成するにあたり、難易度を一定に保つのは難しいことと思います。より良い試験制度とするべく、社会福祉の第一線で活躍される諸先生方のお力を結集し、合格に向けて学習を積み重ねた方々の努力が報われる試験問題となることを願ってやみません。
今回の試験結果を見ますと、一昨年までの状況に戻った印象を受けます。とはいえ、出題内容につきましては、問題の難易度に大きな変動がみられるものの、社会福祉士として理解しておくべき内容が幅広く出題されました。今後の試験問題の動向は不透明ではありますが、過去問学習を通して重要事項を理解することに加え、参考書等で関連する内容についても理解を深めていくことが必要、といえる試験結果でした。
【リンク元】
基礎知識を培うことが求められており、頻出項目を押さえるための過去問学習が要であることには変わりないのです。