社会福祉士国家試験「今年こそは絶対合格計画」

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第37回社会福祉士試験・第27回精神保健福祉士試験対策・国家資格キャリアコンサルタント試験対策がメインですが、全ての資格試験に共通する効率勉強法を紹介しています。

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相対評価に変わった薬剤師試験から見る、相対評価の妥当性について


 

社会福祉士試験、精神保健福祉士試験は、その年によって合格点が変動する相対評価試験ですが、他の相対評価である国家試験の場合、どのような結果になっているのかについて、今回は昨年度試験から相対評価に移行した第106回「薬剤師」試験を例に取って紹介します。

 

 

第105回(令和2年度試験まで)までの合格基準

  1. 平均点と標準偏差を用いた相対基準により合格者を決定
  2. ただし、全問題(必須+理論+実践)の得点率が65%以上でも合格
  3. 必須問題全体の得点率が70%以上でないと足切り
  4. 必須問題の各科目の得点率がすべて30%以上でないと足切り

 

 

101回~105回試験は絶対評価から相対評価へ移行期間でした。

第100回までの薬剤師国家試験は、「全問題の得点数が▲点以上(点数は年によって変動)」という絶対評価だったため問題の難易が合格率に反映されやすい傾向がありました。

実際は全体の65%以上が基準とされていたようです。

 

第106回(令和2年度試験)からの合格基準

  1. 平均点と標準偏差を用いた相対基準により合格者を決定
  2. 必須問題全体の得点率が70%以上でないと足切り
  3. 必須問題の各科目の得点率がすべて30%以上でないと足切り

 

 

「薬剤師国家試験のあり方に関する基本方針」(平成28年2月4日医道審議会薬剤師分科会薬剤師国家試験制度改善検討部会)では、「3.(5)合格基準について」において、「その際、これまでの絶対基準を用いた合格基準でなくなることによる教育の現場や受験生の混乱を回避するため、当分の間、全問題への配点の65%以上であり、他の基準を満たしている受験者は少なくとも合格となるよう合格基準を設定する。」の扱いがあるが、第106回薬剤師国家試験より、当該取扱いは適用しないこととする。

(厚生労働省「第106回薬剤師国家試験の施行」より)

 

 

<第106回薬剤師国家試験 結果概要>
・合格率:68.66%
・合格基準:
1. 全問題の得点が430点以上
2. 必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上 
3. 禁忌肢問題選択数は2問以下
・採点にあたり考慮した問題:問320は採点対象から除外

 

第106回薬剤師国家試験の合格点は430点(=215問)のため、以前までの絶対基準65%(=225問)よりも低い点数となっております。

 

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<第107回薬剤師国家試験 結果概要>


・合格率:68.02%
・合格基準:
1. 全問題の得点が434点以上(690点満点)
2. 必須問題について、全問題への配点の70%以上で、かつ、構成する各科目の得点がそれぞれ配点の30%以上 
3. 禁忌肢問題選択数は2問以下
・採点にあたり考慮した問題:問98、問328は全員加点

 

第107回薬剤師国家試験の合格点は434点(=217問)のため、合格基準は63%となりました。


第106回試験と第107回試験を比べてみても分かるように、完全相対評価試験に移行してからも、合格基準点や合格率に大幅な変動はなく、受験生にとって混乱を招くような結果にはならなかったことがうかがえました。

 

 

 

最後に、今年度の第74回放射線技能国家試験において、追加合格が生まれたという事態になったため、紹介します。

 

今年度の放射線技師の国家試験で出題や採点のミスがあったことが分かり、厚生労働省は43人を追加合格にしました。
先月17日に行われた放射線技師の国家試験は、3245人が受験し、厚生労働省は23日、このうち2750人が合格したと発表しました。
ころが、合格発表のあと、試験の問題に誤りがあるのではないかと外部から指摘があり、確認したところ、正しい選択肢を選ぶ問題の1つで、正解がないことが分かったということです。
さらに、別の選択式の問題でも誤った選択肢を正解として採点していたことが分かり、採点し直した結果、当初不合格としていた43人を追加で合格にしました。
43人には個別に連絡して謝罪するということです。

 

 

 

43名が追加合格されたことで、84.7%から86.1%に合格率が増加する形になりました。

試験問題の在り方や採点によって受験生の人生を大きく左右しますから、他の資格試験の事情を知ることで、試験問題について考えさせられます。

 

www.mhlw.go.jp