新年度が始まってから一週間が経ちますが、街中にはスーツを纏った初々しい新入社員らしき姿が目立ちます。
介護福祉士として、働いている友人の職場にも、この春専門学校を卒業した、弱冠二十歳の新人が入ってきたそうです。
友人は立場的に先輩に当たるので、その人に、
「どうしてこの世界に入ってきたの?」
と、アイスブレークも含めて尋ねたところ、
「まぁ、福祉の専門学校出て、介護福祉士も受かったばかりですからねぇ……その流れでって言うか。
でも、ぶっちゃけ福祉の世界って3Kじゃないですか。自分は負け組なんですよねー(苦笑)。」
入社して間もないのに、「負け組」「3K」という醒めきったフレーズとその語気に、友人は呆れきってしまったようです。
「あのねぇ、福祉の世界を舐めているでしょ。そんな甘い世界じゃないよ」
努めて冷静に返すと、新入は、
「すいませんでした~(汗)」
という空返事で、その場を去って行ったようです。
よく福祉の世界は、キツイ、キタナイ、キケン(給料が安いとの言い回しもあり)の3Kと揶揄されますが、友人は5年間心身ともに健康体で働いていますし、結婚もしているので、近々マイホーム購入のプランも出ています。
しっかりと使命感と誇りを持って働いている人間も確かにいる中、この世界に対して、偏見や蔑視の目線で門をくぐってくる者も少なくはないようです。
毎度のことながら、そのような者に対しては、仕事上での接し方について悪戦苦闘しているようです。
「他にあてがないから入ってきた」という新卒・転職組は、共通して長続きはしないようです。
いつも友人から職場の話を聴かせてもらうと、福祉職に求められる職員の資質を考えさせられます。
この文章を読んでいて、将来福祉の仕事を目指しているみなさんが、やる気と希望を持って第一線に立てるよう願っています。