前回、私が受けた宅建試験の経験から、「勉強量が不足している状態で国家試験に受かるはずがない」という事例を紹介させていただきました。
今回は、その恐ろしさを更に知っていただくために、私が宅建試験の前に受験した他資格試験で勉強不足を理由に不合格になった体験談をお話します。
今から11年前に受けた「初級システムアドミニストレータ」という情報処理系の国家資格受験です。
この試験は、平成21年度春期試験にて終了していて、現在のITパスポート試験に部分的に吸収されています。
初級シスアド試験も社会福祉士同様に、午前科目と午後科目に分かれて実施されていました。
午前は、全80問で、試験時間は2時間30分。4択形式した。
内容は、コンピュータに関する基本知識・
午後は、全7問で、2時間30分の長文・複数選択形式でした。
内容は、ネットワーク・セキュリティ・コストの最適化・表計算の使い方・データベースの理解等です。
当時の私は、受験にあたって過去問題集を購入して、試験日の一ヶ月前から勉強開始しました。

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宅建試験時と同じように、「初級シスアド試験レベルならば、一ヶ月前からならば余裕で受かるだろう」と甘く考えていたのです。
便乗するかのように、
午後科目は一切手をつけずに当日を迎えました。
なぜそんな甘ったれた勉強法で挑んだかというと、ズバリ「やる気が起きなかったから」です。
ネットやPCの操作には興味があって受験を決めたのですが、いざテキストで問題を解いてみて、実際に情報処理の専門用語や計算式を覚えるのは、苦痛で仕方がありませんでした。
大学2年次に、インターネット実務検定2級という同じIT関連の試験には合格していましたが、シスアドはもっと幅広い分野から出題されていたため、それほどアドバンテージにはなりませんでした。
加えて、シスアドに合格したところで、就職に有利になるわけでもありませんでした。
いくら国家資格といえど、情報処理資格の初級的位置づけにあるこの資格は、就職のアピールには弱かったのです。
ワンランク上の基本情報技術者試験の方が社会的評価は高かったのですが、シスアド以上に専門知識を要するために、興味は生じませんでした。
というわけで、「とりえあえず、申し込んでしまったし、適当に受けてみるか」という生半可な気持ちで、過去問を全ページ解いてもおらず、苦手分野は全部捨て問にして本番に臨みました。
その結果は、言わずとももちろん不合格でした。
いくら初級といは言え、国家試験です。
一ヶ月だけの期間かつほとんど手をつけていない“なんちゃって勉強”で受かるほど現実は甘くはありませんでした。
この話にはおまけがあって、こともあろうか私は午後科目は受けずに午前科目だけで踵を返して帰ってきたのです。
午前科目の出来が芳しくなかったため、すっかり戦意喪失してドロップアウトしたのでした。
この経験もあって、社会福祉士の本試験の午前科目が惨敗すぎて午後は受けるだけ無駄だからと帰宅しようと本気で考えたわけですが、「ここで退いたらシスアド試験と同じ末路を辿ることになる」という不合格の恐怖からストッパーをかけることが出来たのです。
一連の顛末を通してみると、我ながら「これじゃ受かるわけがないだろ」と痛感しています。
なぜ二回に渡って私の体験談を掲載したのかと言うと、中途半端な勉強量と気持ちでは国家試験には太刀打ちできないという現実を、これから勉強を開始される方にこのタイミングでお伝えしたかったからです。
勉強が苦痛でやる気が起きないことを理由に、学ぶことを放棄した自分が受かるわけがないのは当たり前すぎる話でした。
受験勉強そのものに向き合う上で、
1.いかに合格へのモチベーションを高く保ち続けることが出来るのか
2.勉強そのものを楽しめる工夫を図れるのか
この2点の要素がどれだけ合格へのパワーに結びつくのかをこの初級シスアド試験でも身に沁みて痛切に感じました。
社会福祉士試験のやる気が削がれる理由の一つとして、「勉強量が多すぎて中身が面白くない、分かりにくいから」という声が毎年届きます。
「分からない」という壁にぶち当たった時に、当時の私のように「いいや、受からなくても」と逃げの道に転じて学びを放棄するか、それとも「分かるようにしよう」と、理解が捗るために工夫したりあがいてみるか、究極の二択で未来が分かれてきます。
「今頑張らなかった人間は、この先一生手を抜いて楽な道を選ぶようになる」
高校受験時に、塾講師から言われたこの一言はまさに資格試験にも共通しています。
「今年こそは絶対合格」
このスローガンが持つ言葉の重みと覚悟を胸に刻み込んでいるみなさんならば、きっと来年の3月には満面の笑顔で合格を噛み締めているはずです。
桜満開の春にまた再会しましょう。