『この世の中を動かす暗黙のルール―人づきあいが苦手な人のための物語』 岡田尊司
この世の中を動かす暗黙のルール―人づきあいが苦手な人のための物語
- 作者: 岡田尊司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2010/07/08
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 19回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
精神科医・医学博士として、パーソナリティ障害、発達障害の最前線に立ち、臨床医として若者の心の危機に向き合っている岡田氏の作品です。
本書が他の精神科医が手がける自己啓発本と異なるのは、物語形式で人生の逆境を乗り越えるための秘訣を描いている点です。
数年前に話題を呼んだ『夢をかなえるゾウ』の展開に共通しているところもあります。
物語のあらすじですが、冒頭から失業した若者が、将来や他者に絶望して、自殺を図ります。
幸いなことに一命を取り留めましたが、精神科病院に入院することになります。
そこで、若者は、一人の奇妙な老人と出会い、若者はその老人から、少しずつこの世の中を動かしている「暗黙のルール」があることを教わります。
かたくなに心を閉ざしていた主人公が老人とのふれあいによって、生きる希望を取り戻して、社会復帰した後に、自己実現を果たしていく話です。
幾度となく壁が立ちふさがりますが、老人のアドバイスを実現しながら、再起していきます。
他でもない私自身が人付き合いが得意ではないので、主人公に自己投影するかのように、見入ってしましました。
この物語を読み終えた後には、自然と涙が流れ落ちていました(ネタバレのため、詳しくは書きませんが)。
今の自分を変えたい、生きづらさの正体を知りたい、人生を諦めたくないという方に、オススメの一冊です。
続いては、
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。
同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。
なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった―― 働く人ならみんな共感! スカっとできて最後は泣ける"すべての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー"
創作の物語ですが、いつどこで起きてもおかしくないある会社員生活からスタートしています。昨年、実写版で映画化もされました。
「ちょっと今から仕事を辞めてくる」というわけには行かないのが現代社会ですが、道は一つではないことを客観的に学べます。
「なぜそこまで追い詰められているのに辞められないのか」「社会で働くということはどんなことなのか?」「何のために生きるのか」仕事観について考えさせられます。
今の自分を変えたい、生きづらさの正体を知りたい、人生を諦めたくないという方に、オススメの二冊です。
今回の2つの作品は、この世の中の作者が尊司で、ちょっと今からの主人公が隆で、たかしつながりだっタイね。
つまり、TAKAさんと絡めたいのね。