巷では早速4月から2021年度対策のテキスト・問題集が発売し始めます。
これから長丁場の受験を目指すにあたって特に注意したい点は、「問題集を揃えただけで満足してしまうケース」です。
本来ならば問題集を手に入れてから本格的にスタートするわけですが、尻すぼみのようにやる気が消え失せてしまって、本棚にお蔵入りしてこう思うわけです。
「とりあえず、問題集を手に入れたことだし、まだ受験日までかなり時間あるから後ででいいか」
と安堵して先延ばしにするのです。
そして直前になって冬眠から目覚めたかのようになって封印していた本を開いても、
「今更こんだけの問題量をこなせるわけがない」
と現実を直視して敵前逃亡してしまったらとても残念な1年に終わってしまいます。
他人事のように言っているようですが、この流れはかつて私自身が別の試験を目指す上で何度か経験してきたのです。
そして、再受験を目指さぬまま問題集も手を付けずに終わりを迎えたという結末も辿っています。
なぜ本番直前まで問題集を開かなかったかと言うと、一つの理由として、本棚に並べているタイトルを目にしただけで、まるで合格したかのような錯覚に覆われてしまい、勉強から逃避してしまう日々が続いたのです。
受験終了後の本の処分にも一苦労です。
未使用な物だとしても、ブックオク等に売りに行ってもだいたい1冊10円〜50円くらいです。
定価がそれなりにしているだけに、何とも言えない気持ちだけが残りました。
私だけではなくて、どうやら受験生の方の中にもこのような状態に陥っている方が少なくはないという印象を受けます。
次に気を付けなければならない点として、「一度購入した物では満足できずに、不安から別物を衝動買いしてしまうこと」です。
大量の問題集を揃えて精神を安定させようとすることもあるかもしれません。
けれども、絶対合格計画を目指す上でこの考えは効率が悪いと言えます。
なぜならば複数の問題集を手に入れると、ただでさえ覚えなければならない科目が多いのに、倍増されてしまうことで、更に勉強へのモチベーションが下がってしまうリスクがあるからです。
情報過多になってしまうことで、「こんなにたくさん覚えなければならないだなんて、とても受かる気がしない」と、見えないお化けにびくついて、敵前逃亡してしまうなんてことになりかねません。
情報過多によって心がかき乱されてしまうというのは、今日の社会でも共通しているところがあります。
今の社会では新型コロナウイルス感染拡大のニュースが嫌というほど広がっていますよね。
その規模は日本国内にとどまらず、世界全体の情報が飛び込んできます。
不安になるほどその不安をかき消すために、情報を集めるものの、更に不安を助長する情報が飛び込んできて、ダウンしてしまうというサイクルは珍しくはありません。
そんな時に、今自分ができることは何かに目を向けるだけでも気持ちが楽になれますし、目標達成に向けて効率的な行動になります。
社会福祉士・精神保健福祉士試験で言えば、一冊で良いので、これだと決めたものと向き合い続ければ良いのです。
そこに書かれている文字の羅列は決してあなた様を振り回すためではなくて、絶対合格のため、そして合格後に待っている資格を活かしたケースワークの根幹に役立てるように用意されています。
まずは「これだ!」と腹をくくったテキストに定めて集中してみてください。
相棒は試験のその日まで勇気と力を与えてくれます。