令和になり、以前紹介したモデルの栗原類さんのように、自身が障がいを持っていることを世間にカミングアウトすることで生きるのが楽になった、新しい人生を築けるようになったという方が増えているように感じています。
また、そのような方の半生や心の持ち方を知ることで、自分自身の人生を前向きに捉えられるきっかけにつながったという声も耳にします。
今回紹介するのは、国民的人気アイドルグループ『乃木坂46』の元メンバーである中元日芽香さん25歳で、職業は心理カウンセラーです。
乃木坂46に1期生として加入した中元日芽香さんは、「ひめたん」の愛称で多くのファンに愛された人気絶頂の中、2017年にアイドルとしての活動を停止しました。
実はこの5年ほど前、アンダーメンバーの頃から、彼女には異変が起きていました。摂食障害(過食症)を経験したのです。選抜入りどころか、なかなかアンダーの最後列から前に行けないストレスが、彼女を食べ物に向かわせたのです。そのせいで太ってしまい、メンバーの中で悪目立ちするようになりました。
それでもアンダーのセンターをつとめる頃には、過食症はいったんは収まります。しかし、なかなか選抜メンバーには選ばれず、握手会でファンから「次こそは絶対選抜だよ」と言われたとき、「もう期待しないで」応えてしまいました。彼女は期待されることに疲れてしまったのです。
ようやく選抜メンバーに上がり、今度は1列目を目指す、という時期に彼女は、仕事を楽しめていないボロボロの自分に気づきます。家から出られない、涙が止まらない、リハーサルに行けない、笑えない、喋れない、伏し目がち……。ついには休業を余儀なくされました。医師の診断は「適応障害」でした。
それからの彼女の大きな支えとなったのは、カウンセラーの言葉でした。
「(カウンセリングで)あなたは秀でたものが何もないと言ったけれど、五年間も頑張り続けてきたことがすごいことだと思うよ。誰もができることじゃないんじゃないかな」
「今まで自分が泣けなかったから、代わりに身体が泣いてくれていたんだね。辛かったでしょう。頑張ったね」……
日芽香さんは心身が回復していくにつれ、カウンセリングに魅力を感じはじめます。そしてカウンセラー養成スクールに入り、カウンセラーとして、自分の辛かった経験を生かす道を歩みはじめました。
アイドルとして何を感じ、いかにして適応障害を乗り越え、人の悩みを受け止める立場になったのか――。日芽香さんのこれまでの思いを余すところなく綴る、初の書下ろし作品です。『ありがとう、わたし 乃木坂46を卒業して、心理カウンセラーになるまで』中元日芽香 | 単行本 - 文藝春秋BOOKSより
乃木坂46に加入した中学時代に摂食障害を経験し、その後臨床心理士にカウンセリングを受けたことから心理職を目指したいという気持ちが芽生えたようです。
取得されている資格は『日本推進カウンセラー協会』のメンタルトレーナーと心理カウンセラーのようで、乃木坂46を卒業された2017年頃に登録されたようです。
2018年に「オンライン(SKYPE)カウンセリングサロン」を開設されました。
ビデオチャットというコロナ禍ではスタンダードになりつつある自分らしいビジネススタイルとして確立されました。
また、2年前に早稲田大学の人間科学部eスクール健康福祉科学科に進学されて、臨床心理学を学ばれているようです。
今も新しい生き方を模索しつつ可能性を伸ばされています。
以下の記事ではセカンドキャリアを踏み切れない方に向けてのメッセージも載っています。
挫折を乗り越えて自分らしい道を歩まれている中元さんから、セカンドキャリアについて学ばれてみてはいかがでしょうか。