今回は、管理人が3月に受験したばかりの国家資格キャリアコンサルタント試験(以下キャリコン試験)の【学科】の難易度について考察した記事です。
はじめに申し上げると、難易度分析については、主観であり、私がこれまで受験した国家資格試験との比較中心に展開しております。
管理人の取得している国家資格から比較した
私が取得している国家資格と直近試験の合格率は下記のとおりです。
1.宅地建物取引士 合格率17% 令和4年12月実施分
2.賃貸不動産経営管理士 合格率27.7% 令和4年11月実施分
3.FP技能士検定3級(日本FP協会)
学科合格率85.25% 実技合格率88.34% 令和5年1月実施分
4.国家資格キャリアコンサルタント(CC協議会)
学科合格率82.2% 実技合格率65.3% 学科実技試験同時受験者59.3% 令和5年3月実施分
5.社会福祉士 合格率44.2% 令和5年2月実施分(第35回)
6.精神保健福祉士 合格率71.1% 令和5年2月実施分(第25回)
7.公認心理師 合格率48.3% 令和4年7月実施分(第5回)
これらの資格の中で最も試験難易度が近いと感じたのがFP技能士検定3級(以下FP3級)で、比較的近いレベルであると感じました。
両試験とも実技試験がありますが、試験の性質が異なるため、キャリコン実技試験については考察から外しています。
以下、FP3級試験と【合格率、合格点、勉強期間、勉強方法】で比較しながら実体験を基に解説します。
合格率で比較
合格率を見ると、FP3級が85.25%で、キャリコン学科試験が82.2%と、近い結果でした。
第22回キャリコン試験は史上最高の合格率でしたので、問題が前回(61.7%)よりも易しかったと言えるところもあります。
本番までに過去6回分の過去問題を解きましたが、比較しても手応えがありましたし、実際に9割を超える得点でした。
回によって難易度のバラツキがあるのは体感的にも合格率的にも確かだと感じます。
ただし、FP3級試験の受験資格は実質的に制限はないのですが、キャリコン試験については、養成講習修了者又は実務経験者のみが受験できるため、母集団の違いが存在します。
第22回キャリコン学科試験の合格率が上昇した背景には、試験難易度に加えて、受験生全体の質が高かったことも影響しているかもしれません。
合格率だけで単純比較できない事情も含まれています。
合格点で比較
合格点については、FP3級は合格点が6割以上で、キャリコン試験は7割の絶対評価式で、予めラインが設定されています。
FP3級は計算要素があるので、苦手意識を持つ方もおられるかもしれませんが、6割をクリアすれば総合で合格が可能です。
キャリコン試験においては、多くの受験生が苦手とする人物と理論分野が多めに出題される年や、統計問題で悩まれるということもありますが、全体的には一般常識で解けるような出題も多いので、カバーが可能です。
勉強期間で比較
勉強期間については、FP3級、キャリコン試験ともに、約一ヶ月でした。
FP3級試験については、学科試験と実技試験を別々に受験しており、合計で一ヶ月程の勉強期間だと記憶しています。
FP3級実技試験受験体験
キャリコン試験については、受験票が届いた2月20日から本腰を入れたので、本番(3月5日)までの2週間弱の期間に本腰を入れた感じです。
勉強期間について短いと感じられるか、長いと感じられるかは人それぞれだと思いますが、ゼロからの勉強ではなかったという補正要素がありました。
FP3級に関しては、関連資格の宅建士試験を受験していたことで、「不動産」「相続」分野については被っていたところがありました。
キャリコン試験に関しては、公認心理師試験における「産業・組織における心理学」や心理学全般のカリキュラムに共通しているところが多々あったので、短期間勉強でも合格レベルに到達できたと振り返っています。
勉強方法で比較
勉強方法は二つとも「過去問」を重点的にこなすという王道のやり方です。
使用した過去問題集
過去問に始まり、過去問に終わるというのが両試験だけではなくて、私がこれまで受験した全ての資格試験にも共通していますが、特にFP3級やキャリコン試験は過去問の重要性を感じられました。
キャリコン試験においては、過去問から焼き増しされた出題も数問出されています。
両試験ともに、「落とすための試験」ではないという点からそう言えます。
ここで言う落とすための試験とは、試験問題を複雑化させて、合格率を大幅に絞るという調整を図っているものです。
FP3級やキャリコン学科試験においては、過去問の類似出題が多めに登場しておりますし、本番で初めて目にする初見問題が乱立しているということはありませんでした。
出題形式で比較
出題形式が四肢択一という点も共通しています。
社会福祉士や公認心理師(一部は四肢択一ですが)試験は五肢択一なのと、二つ選べという出題形式も登場するので、その点が合格率を低下させていている一因とも言えます。
※更に深堀りすると、社会福祉士試験は、一つでも科目で0点を出したら不合格になるという設定によって合格率が下がるカラクリも加わっています。
以上になりますが、カリキュラムの内容では単純比較できませんが、合格にかかる事前学習時間や出題を解いた感覚では、FP3級試験とキャリコン学科試験は近いところがあると感じています。
国家試験以外の試験として近いものとしては、メンタルヘルス・マネジメント検定II種(部分的にはIII種)と感じています。カリキュラムの内容が類似しているところもあります。
公認心理師試験と比較して
最後に、「資格の王道」の紹介ページの中に難易度普通レベルとして、キャリアコンサルタント試験が並んでいます。
他の資格試験を見ると、宅建士やFP2級、公認心理師試験等と同等に位置づけられています。
FP2級は問題集を購入して少し解いたことがある程度ですので単純比較できませんが、受験経験が複数ある宅建士や公認心理師試験と比較すると、キャリコン学科試験の方が断然合格自体はしやすいと感じています。
以上、あくまでも私の主観と受験経験から難易度比較をまとめましたが、誰にも共通する絶対的な考察ではありません。
「FP3級の方が難しい」というような声も、逆も出てきても自然ですが、両試験の特徴を紹介させてもらったことで、受験の参考になれば嬉しいです。
2023年8月追記
ジャン一さんの動画の中で、FP3級試験と比較して検証されています。