「石の上にも三年」ということわざがありますが、まさか宅建試験と3年もの歳月向き合うことになるとは、開始当初は夢にも描いていませんでした。
長かった宅建士生活も二度あることは三度あるになるのか、三度目の正直になるのか、天下分け目の決戦を迎えました。
1.試験終了と同時に絶望感に支配された私
三度目の宅建士試験日は10月半ばでしたが、この日に限って半そでの夏服でちょうど良いくらいの暑さで、室内で空調が使われていたくらいでした。
自分は一番後ろの席だったのですが、試験直前から冷風が直撃し続けたことで、お腹が痛くなるほどでした。
しかしながら、いざ試験が始まった後は、予想外の試験の難しさから気が動転しており、寒さのことなど意識する余裕がありませんでした。
隣の席の男性が、2分に1回くらいのペースで大きなため息をついていたのが記憶に残っています。
「終わった・・・・・・(色んな意味で)」
終了と同時に、呆然自失になっていました。
体感的に出来具合は6割くらいでした。
自己卑下と絶望感に支配され、過去2年間と同じような不合格の恐怖が襲ってきました。
だいぶ勉強したはずなのに、全てを打ち消されるかのような手ごたえで、絶望感は半端なかったです。
「二度あることは三度ある」になること間違いなしでした。
帰宅後トドメの一発になるかどうか、毎年恒例の資格学校発表模範解答をもとに、自己採点を行いました。
その結果は・・・
えっ!?想像していたよりもできているよ・・・・・・。
問1から○つけを始めているので、権利関係分野が5割程度の正解率だったのを皮切りに、その他の法令分野がまさかの全問正解だったりと、番狂わせが起きていました。
最終的には、
36点でした。
あの出来具合から見たら、予想以上の結果だったので、半信半疑でした。
同時に、採点前の憂鬱が一気に晴れて、「もしかしたら今年は受かるんじゃないか」という期待が俄然膨らんできました。
過去に36点以上の合格点が出たことはなかったので、合格が現実味に帯びてきたのです。
予備校毎に解答が分かれる、いわゆる割問は、問42の1問だけで、それを除いても36点でした。
興奮した私は、すぐさま母親に、「今年こそは受かるかもしれない!!」と報告しました。
母親からは、
「まだ分からないよ、お前がその出来ってことは、合格ライン高いんじゃないの?」
と冷静に返されました。
それもそのはず、毎年合否の結果に振り回されている母親は、私が合格できると確信できなかったのでしょう。
そして、合格発表までの長い約40日間が開始します。
過去2年間と比べて、期待値が高かっただけに、ダメだった場合を想像した際の浮き沈みが激しかったです。
2.転記ミス、マークミスの恐怖
自己採点の結果、ギリギリボーダー上の36点だった私ですが、今年度は出題傾向の変化によるパニック状態の影響もあり、果たして本当に解答に○をつけたかどうか疑わしい問題が2問もありました。
1問ずつ順番にマークシートに記入する方法ではなくて、問26から50までまとめて問題用紙に回答をチェックしておき、一気にマークシートを塗りつぶした後に、法令⇒権利関係へと移っていったことで、順不同にランダム記入していたこともあって、マークの仕方に自信をなくしていたのです。
去年までは、1問解いたら、その場でマークシートに記入していましたが、なぜ今回からこのようなやり方に変えたかというと、 『過去問で効率的に突破する!「宅建試験」勉強法 』の中で、筆者が時間を有効活用して、マークミスを防ぐためには、一気に記入した方が失敗が少なくて、効率的だと説いていたからです。
2つまで絞れたけれども、最後の1つを選べない問題もあったので、その場ではマークシート欄は空白にしておいて、 終了間際に意を固めて記入したので、追いこまれた焦りから、通常ではあり得ない「マークシートずれを起こしたかもしれない」という恐怖が合格発表の瞬間まで消えませんでした。
かつて英検、漢検、秘書検、自動車教習所の試験などで、マークシート記入には慣れていたつもりですが、試験当日には予想もしていなかったようなパニックを引き起こすのです。
高校時代に同級生の一人が「センター試験でマークミスをやらかして、自己採点より低くて不合格になった」という声を聴いた際に、「なぜそのような致命的なミスを起こすのか自分にはわからない」と人ごとのように訝しく感じていた記憶がありますが、自分の身に降りかかってきたのです。
「もしも、マークが1問ずつずれていたら、100%不合格になる」と、想像しただけで、目の前が真っ暗になりました。
各資格学校の予想ボーダーを平均すると、だいたい「34±1点」でしたが、曖昧だった2問が外れていれば、36→34点に下がってしまい、予想ボーダーから考えると、一気に厳しくなってしまうのです。
この2問は、「正しくチェックしたに違いない」という希望的観測から+2点として得点に加えたからです。思いこみでないことを願いました。
3.ボーダー上方修正の恐怖
10月下旬になると、2年連続ボーダー予想的中のLECが当初発表した「33点前後」から、「34または35点」に上方修正しました。
11月中旬以降になると、LEC名古屋講師のブログで、受講生のデータから、「36点以上もありえる」という解釈を出され、過去5年間で1回しか外したことがない、不動産法律セミナーが「36点前後」と発表したことで、不安は倍増していきました。
追い討ちに拍車をかけるかのごとく、Z会が「37点、38点もあり得る」という、前代未聞のボーダーを発表しました。
膨大なサンプリング数を誇るユーキャンが、33点を超える平均点(例年では平均点+3点がボーダー)を示した暁には、不安がピークに達していました。
怒涛のように押し寄せてきた不安要素は留まるところを知らずに、合格発表日直前の1週間前になって、公式から想定外の発表が待っていました。
次回最終回に続く