6月までにほとんどの最新問題集が揃いますが、
問題集は数冊買って試験に臨んだ方が良いのでしょうか。
毎年のようにこのような質問を受けます。
合格基準点6割ならば、問題集は一冊使えば合格レベルに到達できる。
というのが私の見解です。
※精神保健福祉士・社会福祉士国家試験共通です。
この持論は経験則のみならず、近年の試験傾向から見てもそう言えます。
えっ!?
たった一冊で新カリキュラムの社会福祉士試験に受かるの!?
77点を超えるためには量が少なすぎでしょう!?
このように訝しげに感じた方もいるでしょう。
129問(社会福祉士試験)132問(精神保健福祉士試験)という膨大なボリュームを見れば、とても一冊の知識量では対抗できないように感じる方もおられるでしょう。
「たかが一冊だけでは」と思われるかもしれませんが、いざ取り組んでみると一筋縄ではいかないことに気付くはずです。
問題の答えを全丸暗記するだけでも、相当な労力を要します。
むしろ挫折してしまう方の方が圧倒的に多いでしょう(私もそうです)。
大抵の場合は、何回か解き終わったら切り上げてしまいますし、苦手で覚えにくい分野は最小限に留めて流してしまうものです(私もそうです二回目)。
同じ問題を繰り返していると新鮮味がなくなって飽きがやってきますし、「もうこの辺でいいや」と、妥協してしまいがちな境地に立たされることが往々にして訪れます。
一冊の問題集を網羅するのに苦労する要素は、飽きと己の限界に対する克己心です。
そこで見切らずに、あと数往復すれば合格できるレベルに到達できたのに(6割)、みすみす逃してしまっていることもあるのです。
一冊の問題集をマスターするといっても、誰もが実践できない現実があり、そのラインを突破したものが合格率約55%ラインに入れるのです。
ただなんとなくや、一通りで終わり式勉強の範囲では、合格率55%の試験には合格し難く、本試験も45%をふるい落とすような応用型問題を多数用意しています。
本試験では、問題集と一字一句全て同じ問題は出ませんし、形を変えて出題されます。
昨年度は例外的な過去問外問題がベースになっていましたが、今年度も同様に捻った出題が多めになる可能性も考えられます(個人的には可能性が少ないと予測していますが)。
そうなった場合は、同じく合格点を下に設定して、合格率を調整し合否を決めることになると思います。
先のことを想定すると未知数で怖くなってくることもありますが、どんな形になっても、問題集を一冊こなすことの大切さは変わりません。
まずは基礎が固まってないと、先に上げたような応用問題にも太刀打ちできなくなってしまうからです。
数回解いただけで、わかったつもりになって、本番まで復習することなく放置していく行為は、危険すぎます。
中途半端で、あいまいな知識が多いまま本番を迎えても、どうにかやり過ごせるほど簡単な試験ではないことは、合格者の誰もが実感しています。
限界を感じた時に、諦めずに最後までいかに努力できるかで、上位55%の合格者に仲間入りできるかどうかが決まります。
昨年度も90点以上の高得点を出された方で、過去問一冊を10回転以上こなして結果を出されたという方がいらっしゃいました。
一冊の問題集を手垢がついてボロボロに近いくらい使い回して、「人生で一番勉強できた」と、感無量になるくらいまで反復学習できれば、合格はぐっと近づきます。
中には、複数の問題集を使い分けることで、効率よく進められる方もいらっしゃるので、一概には言えない部分もありますが、大量に問題集を購入する前に、まずは目の前の一冊をじっくり咀嚼することをおススメします。
年々過去問を覚えただけは80点以上を取ることが難しくなっているのも事実なので、合格を手繰り寄せるために、問題集の他に必要なプラスαについては、今後紹介します。