平成27年12月1日より労働安全衛生法が改正されたことによって「ストレスチェック制度」が実施されました。
その背景には精神障害を原因とする労災認定件数やメンタルヘルス不調の増加等を受け、労働者の安全と健康のメンタルヘルス対策を一層充実するためというものがあります。
義務対象となっている職場は、常時労働者が50人以上の全事業所です。
頻度に関しては、平成27年12月1日以降毎年1回で、労働基準監督署への報告が義務化されています。
対象者は労働者ですが、受けるかどうかは義務ではなくて任意です。
ストレスチェックの実施者は、
1.医師(産業医)
2.保健師
3.検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した看護師または精神保健福祉士
となります。
この度、精神保健福祉士取得者の私は、このストレスチェック実施者養成研修に参加してきました。
少し前に拙ブログのコメント欄にこの講座に興味がある方が何人かいらっしゃいましたね。
朝から夕方までの1日(講義自体は実質5時間)の講習です。
場所は東京都にある中央労働災害防止協会です。
以前は厚生労働省所管の認可法人でしたが、2000年からは特別民間法人となりました。
ちなみに私は2012年に当協会の心理相談員研修を受講しており、心理相談員資格更新に必要な研修にも何度か参加しているため、お馴染みの場所でもありました。
費用に関しては一般が15000円で、会員や心理相談員登録者は13500円になります。
テキストや関連資料は当日に用意されます。
参加者は80名弱といったところでした。
性別は圧倒的に女性が多かった(看護師と精神保健福祉士取得者が対象なので)ですが、男性の姿もちらほら見られました(60代の方もいらっしゃいました)。
年齢層はざっと見渡した感じ40代以上の方が多いような印象でした。
カリキュラムは
「労働者の健康管理」120分
「事業場におけるメンタルヘルス対策」90分
「事業場における労働者の健康の保持増進を図るための労働者個人及び労働者の集団に対する支援の方法」90分
「研修効果確認」25分
といった構成になります。
関連法令、守秘義務や個人情報について、管理・予防の考え方、健康管理の基礎知識、具体的な施策・方法や産業保健スタッフの役割、メンタルヘルスの基礎知識、職場のメンタルヘルス対策として4つのケア(セルフ・ラインケア、事業内スタッフによるケア、事業外資源によるケア)、連携と協働について、職場における集団への支援の知識と技法や労働者との面接の知識と技法等を学ぶことが出来ます。
一方的に講師の話を聴くだけでなく、ワーク作業として課題がいくつか出されて自分で導き出すようなものも用意されています。
隣の席の参加者とロールプレイをするような場面もありました。
心理相談員及びメンタルヘルス・マネジメント検定III種(セルフケア)II種(ラインケア)と内容がかなり被っており、復習のような内容でしたが、改めて忘れていた部分や気づいた部分が多々ありました。
カウンセリングの基礎的な考えや知識などは自己流になっているところもあったので、目からうろこな学びがあったのです。
講義の最後に「研修効果確認」というテストを彷彿とさせる最後の砦が待ち構えていましたが、確かに記述式のテストが用意されていました。
着席した段階で配布されているので、どのような出題かを事前に把握できますし、テキストやプリントを参照した上で休憩時間に解いても良いというカタチでした。
最後にスタッフが目視して問題がなければ(空欄がなければ)その場で修了証が発行されます。
私も無事に受け取って研修を終えることが出来ました。
私は職場で必要に駆られて受講したわけではありませんが、培った知識は個人活動にも取り込めますし、セルフケアのメンタルヘルス対策としても応用できます。
簡易レポートでしたが、精神保健福祉士合格者の方で受講を検討されている方の参考になれば幸いです。
参照リンク
中央労働災害防止協会ストレスチェック実施者養成講習について
株式会社ウェルネットストレスチェック実施者養成講習について
厚生労働省ストレスチェック制度についての概要
こころの耳改正労働安全衛生法のポイント