教師らの目が届きにくくなる夏休みを迎え、子供たちの自殺を防ぐ取り組みが各地で行われている。
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鹿児島県と熊本市は初めてSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用した相談を実施。福岡県は今年度から、子供が自ら助けを求める「SOSの出し方教育」に関する授業を導入して命を救う活動を展開している。
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内閣府が1972~2013年の18歳以下の自殺者を分析した15年版「自殺対策白書」によると、自殺は夏休み明け前後に集中し、中でも新学期が始まる9月1日は、この期間の累計で131人と最多だった。
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そんな中で、子供たちを救う手立てとして注目を集めているのが多くが利用しているSNSの活用だ。
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今年度から長期の休みに合わせてLINE(ライン)での相談を始めた鹿児島県。今夏は、夏休み前の18日から9月11日まで、希望する公立中高生を対象に実施する。運用は民間業者に依頼しており、自殺に関する相談を受けた経験のある社会福祉士などの専門相談員が対応する。
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同じくLINEでの相談を初めて導入する熊本市の受付期間は、8月24日から9月6日で夏休み明け前後に設定した。
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18歳以下を対象にスマホなどのチャットによる無料相談を週1、2回行っているNPO法人「チャイルドライン支援センター」(東京)は、8月29日~9月4日は、毎日相談に乗る。
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昨年改定された国の自殺総合対策大綱に、子供が様々な困難やストレスについて周囲の大人に相談するなどの対処法を身につけるための教育として盛り込まれた。東京都足立区は2009年から実施しており、区内の小中高校に保健師を派遣している。
記事元
「夏休みの自殺を防ぐ…LINEに相談窓口、「SOSの出し方」特別授業も」2018年7月23日付
LINEアプリを使った自殺防止対策の取り組みは既に長野県のモデルが存在していますが、徐々に広がっていることがわかりました。
LINEコミュニケーションが普及することで、人と人との関係が希薄になっていると問題視されていますが、このように若者にとって身近なツールだからこそ、気軽に使えるメリットがあります。
社会福祉士や精神保健福祉士として訓練を積んだ専門職の働きが期待されており、ますます活動の幅やニーズが広がっていることがうかがえます。