前回
私が初めての公認心理師国家試験に破れた敗因について
まずは私が公認心理師試験に一発合格できずに、「合格点まであと数点」で破れた理由について分析しました。
自分の至らないところに目をつむったままだと再受験合格を成し遂げることは不可能だと痛感したのは、実際に公認心理師国家試験を受験してみて、付け焼刃の勉強で通用するほど甘い試験ではないことを肌で感じたからです。
上記の点数を見れば一目瞭然でした。
午前科目 71点 一般知識 29点 事例問題 42点
午後科目 64点 一般知識 31点 事例問題 33点
そして、そもそもなぜ135点になったのか、一番の敗因は、
「過去問を一切解かなかったから」に尽きます。
えっ!?
私が過去問重視勉強法を放棄したわけ
私がこれまで絶対合格ブログで一貫して述べてきたのは、過去問重視勉強法でした。
社会福祉士試験・精神保健福祉士国家試験のみならず、宅建士やメンタルヘルス・マネジメント検定等、様々資格試験に共通する鉄則として、10年間実体験をもとに語り続けてきました。
そんな過去問絶対派とも言える私が、過去問をやらないで公認心理師試験に臨むってどういうことだと疑問を覚えられた方もいらっしゃるかもしれません。
そのカラクリを解説する前に、まずは初回受験で私が購入したテキスト・参考書を紹介します。
私が1年目に使用した公認心理師試験対策テキスト・問題集は
上記のファイブアカデミーの基本書と問題集の2冊を購入しました。
実際に書店に赴いて他社の物と読み比べしましたが、この両冊が最も見やすく、長丁場で使え続けそうだと感じたのです。
問題集は左に問題、右に解説形式という、これまでの資格試験でも共通して使用してきたレイアウトで、解説を読んでも分からない部分を基本書で補うというセットで使えました。
社会福祉士試験と同じ『完全合格問題集(通称青ペンギン本)』をベースにしなかったのは(一応買いました)、持ち運びにはサイズが大きく、徹底対策問題集はA5判で通勤バッグの中にも収納できて移動時間やスキマ時間にも使いやすいからです(翌年に発売した『2022年版 一発合格! 公認心理師 徹底対策問題集』は、青ペンギン本と同等のサイズになりましたが)。
徹底対策問題集は、過去問をベースとした予想問題集320問と過去2回分(3回と2回試験)がそのまま別冊で収録されている作りになりました。
この年初めて登場した物なので、レビューも少なく、実際に受験会場で使用している受験生も見られませんでした。
誰が使っていようがいまいが、これまでの経験から、一冊をこなせば合格できるという持論から徹底対策問題集一冊で勝負することに決めました。
試験のチャンスは残り2回で、もちろん初回合格を見据えてはいましたが、このやり方は最小限の勉強量と時間で挑める算段でしたので、仕事と家庭の両立でもなんとか勉強時間を捻出でき、モチベーションを維持できると見立てたのです。
実際に試験を受けてみて、見事に外れたわけですが。
これはセルフハンディキャッピングではなく、読みが甘かった私の大誤算でした。
公認心理師試験の勉強期間について
勉強開始期間は、7月から9月までの約2か月間集中的に取り組みました。
しかしながら思いの他苦戦したが勉強に集中できずに、最高でも1日1時間から1時間30分くらいがやっとだったということです。
ちゃんとした国家試験の勉強は7年くらい前に受けたFP3級技能士検定以来でしたが、範囲も内容もFP時とは異なります。
主には通勤の往復や休み時間、帰宅後の自由時間に充てましたが、20代に社会福祉士試験を受験した頃とは違って、集中力が続かずに、モチベーションを維持するのに大変苦戦しました。
この点は2年目のリベンジ受験時にも共通しています。
平日は仕事や生活の両立でくたくたになっており、それでも勉強を捻出する際に、「今日は疲れているからここまで」と、学生時代のように2時間や3時間も勉強に取り組むことはできませんでした。
社会福祉士・精神保健福祉士試験受験生のみなさんの心境が身をもって想像できたような状況でした。
さて、なぜ過去問を重視していた私があえて過去問を解かなかったかというと、過去問なしでも合格できることを実証したかったからです。
絶対合格ブログでの勉強法の幅が広がると思いましたし、私の計算では、付属の過去問2年分を解かずとも、予想問題320問を網羅すれば、合格基準の6割は超えられるのではないかと推測していました。
肝心の予想問題集をどのくらいこなしたのかと言うと、統計や基礎心理学に苦戦して、本番まで3周回すのがやっとでした。
初めて目にする内容や耳にするキーワードが多々あり、心理検査毎の特徴やカットオフ値等、とてもすぐには覚えられないことの連続でした。
過去問に一切目を向けなかったことが裏目に出て、本番で全く手ごたえを感じられずに、十中八九が初見問題の連続のように感じられて、完全に準備不足と認めざるを得なくなりました。
過去問を解かないで受験に臨むことのリスクを、身を持って証明することになったのです。
これは1年目で、まだ次回があったからこそ、そのような実験的な受験が行えたのだと思っています。
2年目は過去問重点勉強法に切り替えて、過去5回分の過去問を反復学習したことで、本試験では形を変えて毎回過去問ベースの出題が出ていることを知り、事例問題を何回も解くことで、問題で問われていることや解答パターンを肌で感じ取ることができました。
1年目の私は事例問題は予想問題集に掲載されている数問しか解いていませんでしたし、公認心理師試験の試験傾向を熟知していませんでした。
得点源である1問3点の事例問題対策を怠ったことは致命的でした。
本番では4、5問最初にマークした解答から変更したことで、全て間違いだったのですが、そうした要因は、知識のストックが不足していたため、判断力が鈍っていたのでした。
仮に予想問題集と過去問2年分を最大限の努力と量をこなせていたら、ギリギリ不合格になってはいなかった可能性が高かったと想像しています。
今振り返っても、私の準備実力不足なだけで、徹底対策問題集に否があったとは思っていません。
過去問を蔑ろにして、全く手をつけなかったのが敗因なわけで、基礎の基礎を培わせてもらった徹底対策問題集には感謝しています。
私のしくじり体験を、各種試験を受ける前の反面教師にしていただければと、強く願いながらまとめました。
本試験直前には、河合塾KALSのブループリント補足を印刷して、本番で出題する可能性があるキーワードや内容について、一夜漬けして丸暗記しました。
もちろん全ては覚えられませんでしたし、予想問題集に載っていないキーワードばかりで、勉強法を間違えたかもしれないという焦りが芽生えましたが、前日の気づきだったので路線変更もできずに、ただひたすら詰め込んで本番を迎えました。
こうして自分の仮説が正しいのかどうかに賭けて、過去問は一切目もくれずに、予想問題集のみに着目して、本番を迎えたのです。
次回は、2年目のリベンジ受験編です。