※3月25日22時30分 「結果通知を受けて、今後に向けて」を追加しました。
国家資格キャリコン試験に一発合格を果たした一年後の受検記録です。
大学入試共通テストと重なる2024年1月某日、東京田町の試験会場で、キャリアコンサルティング2級技能士検定実技面接試験を初受検しました。
3月25日付けで結果通知が届き、当時の自分のレベルを再認識したため、反省を含めて、当時の受検記録ととともに実技面接試験の実態をまとめました。
これから受検を志す方や、国家資格キャリコン実技面接試験との差や共通点について知れる一助となれば幸いです。
また、この記事をご覧になった受検生の方や経験者の方からの感想やコメントも大歓迎です。
- 初めに、私の初受検結果報告と、受検勉強について
- 2級技能士試験開始までの流れ
- 2級技能士ロールプレイ試験の実際の流れ
- 2級技能士口頭試問の手応えについて
- 2級技能士面接試験終了後の心境は
- 結果通知を受けて、今後に向けて
- 試験終了後に参考になった2級技能士合格体験記
- 使用した2級技能士実技試験独学対策問題集
初めに学科試験を一部合格した私の体験記
初めに、私の初受検結果報告と、受検勉強について
結果から申し上げると、総合が57点(60点以上で合格)の未達で、具体的展開力が55点、基本的態度と問題把握力は60点を超えていました。
一番ショック(想定していなかった)のは、関係構築力が50点台だったことです(哀)。
関係構築というのは、相談者役と構築する基本の基であって、一番心がけていたこと(試験内でも、実務でも)でしたので、この点数が低かったことは、私の対人援助職人生を揺るがせるくらいの衝撃でした。
この現実を受け止めるのには時間がかかりそうですが、今の私にとって必要な課題だと受け止めておりますので、これから分析と学びを広げていきたい所存です。
受検勉強方法は基本独学で、ロールプレイ練習は一切せずに、脳プレ(脳内でシュミュレーション)と、対策問題集を複数精読して臨みました。
国家資格キャリコン実技試験対策と同様のスタンスでした(学習量は2級技能士の方が多いです)。
使用問題集はページ下部にまとめてあります。
2級技能士試験開始までの流れ
室内を見渡すと、私の集合時間に集まったのは全部で40名くらいでしょうか。
偶数と奇数で割り触れられて、自分は後半組だったため、25分くらいその場で待機しました。
国家資格キャリコン実技試験時と同様の流れです。
結果的には1679名も受検して、265名しか合格ラインに到達できなかったことから、この中にいる受検生の少数しか合格入りできなかった実態を肌で感じられました。
そして、係員に呼ばれて面接室前に移動しましたが、国家キャリコン時同様で、この係員こそ相談員役に違いないと思い、今回は女性で、5つのケースのうちの3つの事例のいずれかであることが想像できました。
国家資格時と異なるのは、ロールプレイ概要のシートを渡されなかったことです。
入室前に、試験までの流れのボードを渡された時に、「部屋の空調がうるさいかもしれないので、がんばってください」と励ましていただき、<自然現象と思い、受け止めます>みたいに返したら笑ってくださったので、これは相性良いぞと勝手に思いでいました。
そう、結果通知が届いて評価区分を目にするまで、関係構築がそれなりに上手く行ったと、この瞬間から思い込んでいたのです。
相談者役の方のご年齢は、見た感じでは自分とそんなに変わらなかったので、「受験票に書かれていたあのケースであろうと」想定していたら、開始時間になり入室しました。
国家資格キャリコン時同様、面接官は男女1名ずつで、時計と見慣れたボイスレコーダーが用意されています。
案の定誘導してくれた係員が相談者役で、諸注意の後に面接開始です。
相談者役の方が名札を表にして、5つのうちの一つに出題ケースが特定ができました。
私の職歴含めて、関わったことがないケースの一つでした。
それからの相談者役は、入室前のやり取りとは打って変わって、終始笑顔がなかったのですが、私自身はプロのキャリアコンサルタントとして努めてベストを尽くしました。
2級技能士ロールプレイ試験の実際の流れ
以下、ロールプレイ20分間の流れをざっとまとめました。
基本はシステマティックアプローチを念頭に入れて、シュロスバークの4S理論「Situation(状況)」、「Self(自己)」、「Support(周囲の支援)」、「Strategies(戦略)」の4つ)を意識して、相談者役の背景や心情を把握し、変化を促せるように努めました。
関係構築、問題把握まで→約17分
目標設定→残り3分くらいの時点
方策の設定(提案)、合意→残り1分くらいの時点
制限時間内で、ギリギリ方策の提案、合意、次回の約束まで進むことはできました。
まだ時間が残っていたので、振り返ってまだ聞き取れていない質問をしたところで時間切れです。
意識したことは(口頭試問でも聴かれましたが)、関係構築と問題把握に時間に大半の時間を費やしました。
基本的態度は、話すトーンをゆっくりと、気持ちの部分や本音を少しでも引き出してもらうために、質問攻めにしたり、評価したり褒めすぎたりする働きかけを抑えるように意識しました。
国家資格キャリコン試験時のように、相談者役の方が閉口したり、沈黙して問いに答えられないようなことは少なかった印象でした。
発語量も比較すると多かったですが、基本的にクールな態度でしたし、相談者自か気持ちの部分を表出することは少なかったです。
→結果通知を見て、話したいことを引き出せなかったことから、関係構築力が低かったと反省しております。
20分という短い時間の中で、できる限り気持ちに寄り添うように、相槌や要約を繰り返しましたが、時折こちらの解釈が間違っていた際は、指摘されて言い直された場面も何回かありました。
今後のキャリアについて悩んでおられたので、クローズド・クエスチョンを使い、<転職を考えているのでしょうか?>と一択で放ってしまったところ、「違います。転職は一切考えていない」と即答されました。
15分かけて問題把握を一通り終えた時点で、方策の提案として、キャリアプランシート作成を投げかけましたが、反応が薄く展開に詰まりました。
その際に視点を変えて、<ここまで話してみて気持ちに変化はありませんか?>と尋ねたところ、「変化はないです」と、即否定されたので、動揺しそうになりました。
→結果通知を見て、終盤において関係構築がしっかりと作れていなかったため、話したいことを話せていなかった、この時間で気づきを得られなかった相談者側の本心であったと想像しています。
その時の私は残り時間も短かく、「諦めたらそこで面接終了ですよ」でしたので、動じないように振る舞って、<面接を通して、どんふうになりたいというイメージやビジョンはありますか?>と返しました。
相談者役の方は、「今まで一人で悩んできたので、将来を考えるためのヒントが欲しい」的な気持ちの部分を開示してくださいました。
すかさず、少し前に提案したキャリアプランシートの必要性をここぞとばかりに強調(詳しく説明)し、改めて、キャリアビジョンを俯瞰するためのプランシートの作成を再提案しました。
すると、「ただ言われた仕事をやってきただけだし、強みなんてないと思います」という否定・反発的な発言が返ってきたので、受け止めつつ、<だからこそ、キャリアプランシートを一緒に作りませんか、職業経験の棚卸をすることで、気づくことができます>と伝ええました。
すると態度が柔和になり、「ずっと一人で考えてきたので、そういう視点はなかった。お願いします!」という反応の後、合意を得られました。
残りのわずかな時間で次につながる話をしている最中でタイマーが鳴って終了という流れです。
この時点での私は、方策の合意まで至れたため、受かるかもしれないというかすかな期待が芽生えていました。
→結果通知を見て、やはり関係構築力が低かったため、相談者役の本音の部分や気付きのきっかけを提供する展開ができなかった。目標設定と方策の合意について、相談者の自発性というよりも、ややCC側の私が誘導(説得)してしまったことを反省しています。
2級技能士口頭試問の手応えについて
そして終わったロールプレイ試験。
退出時に相談者役の方が無表情だったのが気になりましたが、すかさず、口頭試問に移りました。
面接官の一人が開口一番、「TAKAさん、お疲れ様でした」と労ってくださり、私の味方になってくださったような気分になっていました。
その一言の影響は大きく、敵ではない(落とすための役割)ではないんだと思いながら最後まで全うできました。
口頭試問で聞かれたことは、改善したいこと、意識したこと、問題点、目標設定についてだった記憶があります。
反省点や気がかりだった点は、相談者の抱える問題点と、キャリアコンサルタント視点の回答が重なってしまったような不安が残りました。
方策については尋ねられず、最後の問いに答え終わったら、面接官の方から「これで終わりにします」と言われて幕を閉じました。
1年前に受けた国家資格キャリコン面接試験口頭試問のラストでは、「もうよろしいですか?」と念押しされて終わったので、何から何まで異なった展開でした。
全体を通して、国家資格キャリコン面接試験時は、不完全燃焼感がありましたが、2級技能士面接試験はやり切った感で満たされていました。
試験終了直後は、「これ駄目でも、現時点の自分の実力を出し切れた」という達成感すら残っていました。
2級技能士面接試験終了後の心境は
合格発表まで二ヶ月以上もあり、その間はひたすら内省を繰り返していました。
試験対策動画や、合格体験談をリサーチしていると、「できなかった自分」に次から次へと気づいて行くようになるのです。
手応えがそれなりにあったのは、うぬぼれで、だめかもしれない不安に駆られる瞬間も多々ありました。
合格率が毎回20%を切っている難関試験で、私は独学でロールプレイ練習も一切行わずでしたので、こんな自分が一発で合格できるほど容易い試験なのか、不安にも駆られ続けました。
ネットで情報を調べれば調べるほど、「できなかった部分」がどんどん肥大化して行くのです。
方策合意まで行けたけれども、そもそも誘導してしまったのではないかとか、口頭試問で伝えたいことがうまく伝えられていなかったのではないかという不安が拡大していきました。
合格発表まで二ヶ月も待つ試験は早々なく、自己採点ができないため、毎日が期待と不安を繰り返す日々でした。
結果通知を受けて、今後に向けて
かくして初の2級技能士実技試験を終えた私ですが、今の心境を表すと、「井の中の蛙が大海(2級の現実)を知った」ような気分です。
実務経験ベースで国家資格キャリコン試験に一発合格を果たせた勢いからのチャレンジ精神と、実務経験を5年以上重ねてきているため(+20年続けている個人活動の恋愛相談約3000件も)、もしかしたら何とかなるかもしれないという冒険心で初挑戦した私の現実です。
実際に面接試験の中でも、手応えを覚えていたところがより期待を胸に抱いていた2か月間でしたが、点数を見て、まさに「自己理解不足」というフレーズが自分自身に該当することをひしひしと痛感しております。
目標設定や方策の提案という形式的なノルマをこなさないと合格できないという先入観が植え付けられていたため、結果的に目の前の相談者に寄り添えず、関係構築が50点台という熟練レベルとはかけ離れた展開で、完全に実力不足だと猛省しております。
そして、合格率15%の壁は分厚くて、実務経験に沿った一朝一夕の勉強方法で受かるほど甘いものではないことを身をもって知りました。
次回32回試験を受検するのかどうかについてはもう少し時間をかけて検討しますが、このままで終わらせたくなくて、合格を果たした暁に自分の思考や姿勢がどう変わっているのかの変化を知りたいという欲求はあります。
戦略を立てつつ、念入りに準備を重ねる必要性を今は感じています。
不合格の現実と向き合いつつ、少しずつ立ち直って行ければと考えています。
合格発表日当日と直後の心境については下記記事にまとめてあります。
試験終了後に参考になった2級技能士合格体験記
国家資格キャリコン実技体験記録
使用した2級技能士実技試験独学対策問題集
2023年12月に発売したばかりの公式実技(面接)試験対策過去問題解説集