資格試験の勉強を進めている道中で、「こんなにしんどい思いをしているのは自分だけだろうか」とか「他の受験生はどのくらい勉強が進んでいるのだろうか」という進捗状況を知りたくなる時があります。
その思いが生まれから、数秒後に知ることができるのが現代社会の利点であります。
SNSを駆使すれば、あっという間に受験情報が次から次へと飛び込んでくるでしょう。
ところがこのSNSは、より受験勉強のモチベーションが下がるような影響、自己肯定感すらも低下させてしまうリスクがあることを忘れてはなりません。
今の自分を立て直したいために、情報収集を行った結果、より勉強のやる気が削がれてしまうという可能性が生じるということです。
なぜそのような道を辿ることになるのかと言うと、「自分よりすごいと思える受験生の情報が心理的負荷を高めるから」です。
私自身も経験が何度もありますが、一度キーワード検索を行うと、おびただしい数のテキスト・問題集画像が表示され、模擬試験の高得点や、1日の受験勉強の記録等を発信されている方の情報が目に飛び込んできます。
「井の中の蛙」状態であることを知り、「自分も頑張らないといけないと」と鼓舞できれば良いのですが、あまりにもレベルがかけ離れてしまっているようで、自分がちっぽけな存在になってしまうような錯覚に支配されてしまうリスクが怖いのです。
勉強が上手くいっていない状況で調べると、いつも以上に感傷的になっていますし、そういう次元が違う情報を自ら探してしまいがちなのですよね。
「セルフ・ハンディキャッピング」という心理用語がありますが、勉強をしなくても良い理由や、結果が出ない時に言い逃れを作るために、このような情報を多く入手して、守りの体制を強化しようとするクセが発動しているのかもしれません。
心がざわついてより勉強に身が入らなくなるくらいならば、シャットアウトして見ない方がオススメです。
今、「オススメ」という言葉を使いましたが、最新のSNSや動画媒体などでは、あなたへのオススメという形で、AIが過去の履歴から計算して、最適な情報を提供してくるようになっています。
そういうオススメ情報の中でも、「見なければ良かった」というような、今の自分に合ってはいない心理的にかき乱されるような内容である場合もあります。
私の場合は、自分が受けた各資格試験の合格発表後にSNSでリサーチすると、「受かっていました」という声が溢れかえっていて、みじめな思いに駆られた経験が何度もあります。
その時は、受験生の立場なのもあって、「なんて自分は情けないやつなんだ」という自己卑下感に苛まれていましたが、今では受験生応援の立場で情報収集していると、たった一つの共通点に気づきます。
それは、不合格だった声の方が割合が少ないということです。
試験そのものは圧倒的に不合格者の方が多い中、SNSでは合格者の声の方が多いことで、合格者の方が勝っているような空気を感じてしまうかもしれませんが、不合格だった方はあえてSNSでは声を上げにくいのではないかと思います。
絶対合格ブログでも、合格発表日の報告では、合格の声の方が多い特徴もあります。
不合格の事実を言語化してあえて伝えてくるというのは、エネルギーも要しますのでなかなか選べないのかもしれません。
一方で、社会福祉士の合格点が100点(7割)を超えた回では、不合格者からの報告の方が多かったこともありました。この年は、合格された方が空気を読んで、喜びづらかったと教えてくださったこともありました。
SNSは情報の取捨選択を臨機応変に行える者にとっては有効活用できますが、様々な思惑が絡んだ上で利用しているので、目の前に写っている情報が全てではありません。
YOUTUBEやGoogleニュース等は、閲覧履歴から趣向に応じた情報を提供してくるような仕組みになっていますので、便利な反面、望まないようなものが目に飛び込んでくるデメリットもあります。
例えば、ネタバレ内容のサムネイル等がそうです。
情報を真に受けて自分の勉強意欲が減ってしまいそうな時は閉じてしまった方が精神衛生上は良いかもしれません。
また、私の経験では、資格試験の不合格から再起して合格を果たされた方の合格体験談等は、非常に有意義な物が多いと感じています。
失敗体験から、どう工夫して立て直したのかという一連のサイクルをネットで知れることで、自分自身の羅針盤にも心の参考書・お守りにもなり得ます。
拙ブログも毎年社会福祉士と精神保健福祉士国家試験年代別合格体験談を募集公開しております。
勉強のモチベーションが低下していたり、進路を模索されている時にご覧になってみてください。