今回登場する黒田さん(53歳)は、ホームレスなどの生活困窮者らを支援するNPO法人「サマリア」代表で、精神保健福祉士・社会福祉士を取得されており、独立型社会福祉士として第一線で活躍されています。
米袋、レトルト食品、缶詰、菓子から、さまざまな調味料まで、県西部地域でフードバンク活動を続けているNPO法人「フードバンクネット西埼玉」(FBN)の常設倉庫兼事務所(所沢市)としても活動を重ねられています。
もともと黒田さんは教育学部の大学出身で、福祉とは何の関わりもなかったそうです。
転機が訪れたのは今から27年前のことで、酸欠状態で生まれた長女に対し、医師から「障害が残るかもしれない」と宣告された時だったそうです。
「福祉というものが、普通の生活と紙一重のところにあると実感した」
壮絶な経験をもとにされて、障害者作業所のボランティア、認知症高齢者専門病院のレクリエーションワーカーとして福祉業界に携わってこられました。
勤務先の病院で、「社会福祉士になれば」と薦められたこともあり、一念発起して2003年に社会福祉士を、2007年に精神保健福祉士を取得されました。
その後精神障害者の施設に勤務したが、「施設という枠の中でできる仕事は限られる」と考え、独立型(フリーランス)社会福祉士に転身。専門職後見人や各種生活相談の相談員として活動しながら、2009年にNPO法人サマリアを、2015年にフードバンクところざわを設立されました。
「FBNではキッチンカーや公民館調理室を活用した無料の食事処を。サマリアではシェアハウスの形で障害者らが安心して暮らせる居場所を実現したい」
と、独立社会福祉士として展望を喜々として語られています。
加えて、まだまだ少ないという「独立型社会福祉士のススメ」も熱く説かれています。
「本当にやりたいこと、意義を感じることに取り組める。若い社会福祉士にはぜひ地域へ飛び込んでほしい」
希望を感じさせる先輩の一言ですね。
独立型社会福祉士の取り組みに興味がある方は潜在的にもそれなりにいらっしゃると思われるので、今後も見つけ次第ご紹介して行きたいと思います。