第37回社会福祉士国家試験が終わってから10日が経とうとしていますが、受験されたみなさまはいかがお過ごしでしょうか。
年度末なので、何かと忙しい日々を送られている方も多いでしょうから、試験のことは忘れて、日常生活に傾注されているという受験生もおられるでしょう。
他方で、この記事をご覧になられている方の大半は、今年の合格点が気になって、合格発表日までの残り約20日が長くて苦しい心境の方が多いのかもしれません。
赤マル福祉の平均点は76.7(得点率6割)、日に日に下降していますね。
第36回試験時は、この段階で107.3点でした(得点率7割)。
第34回試験の数字に近く、あの回は史上初の100点を超えた回で、試験が終わった後の余波も大きかったものです。
合格発表直後に、一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟と日本社会福祉士会が「試験の在り方を改善すべき」と声明を出されたことで、第35回試験にも影響が生じた経緯がうかがえました。
ちなみに、大荒れになった第30回試験時の99点という合格基準点発表後も、同様の流れがありました。
今回、6割(77点前後)を超えるのかどうか、不安が拭えない方は少なくはないと思って、この記事を書いています。
今年、77点を超えるかどうか、それが分かれば苦労は要らないのですが、繰り返しになりますが、私的には可能性は低いのではないかと見立てています。
おそらく、多くの受験生は「既存の情報から勘案して、6割合格点は高確率でないであろう、70点以下になるかどうかが肝心」と意識されている方も多いのではないかと推測しています。
「合格基準点が6割」が前提であるものの、「難易度補正」という点で、仮に合格点を70点(得点率54%)に設定した場合においても、合格率が6割になるとは推測しづらいでしょう。
新カリキュラム1回目、今回の受験生激減と社会的ニーズを踏まえても、合格率が3年前までの30%以下に収まる可能性も考えにくいです。
第34回試験時は150点中105点に対して、合格率は31.3%でした。
ちなみに合格率が30%台の回は、第30回99点と、不適切問題が続出した第20回87点と、第15回91点と合格点非公開の第8回試験です。
新基準になるのは、第35回試験時に新しい歴史が刻まれた合格率40%超についてです。
第34回社会福祉士国家試験の合格基準について(一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟会長談話)を参照にすることで、今後の合格点や合格率基準の推測ができるように感じられます。
以下は抜粋です。
○ 合格基準点が極めて高かった国家試験(特に第30回と第34回)では、この報告書の提言内容を先取りし、いわゆる良問(特定分野に限らず必要不可欠な基本的な知識を問う試験問題)が多く出題され、高得点となったことが考えられる。
○ 近年、養成校学生の就職活動において、社会福祉士や精神保健福祉士資格の取得を前提とする採用内定が多くあり、国家試験不合格により内定が取り消されるケースも生じている。国家試験の合格判定が慣例的かつ機械的な相対評価で不合格者を多く出すことは、学生の不利益を助長することになりかねず、安定的な福祉人材確保にも悪影響を与えている。
○ 社会福祉士国家試験の合格基準を設定するにあたっては、国家試験制度の信頼性を担保する意味においても、検討会が指摘している出題の基本を踏まえつつ、仮にこれまで慣例的に「上位30%ラインの近似値を合格基準点に設定してきた」とするならば、そのような設定を見直し、過度な補正をすることなく総得点の6割程度以上得点した者を全て合格とするなど、合格基準を見直すべきである。
第34回社会福祉士国家試験の合格基準について(会長談話)
令和4(2022)年3月22日
第35回試験は、上位30%ラインが見直されて、6割基準を得点した40%以上が合格入りできる新基準となりました。第36回試験も倣い、合格率も上昇しています。
今回の受験生点数データからしても、6割合格点設定はまずなく、6割合格率以上の可能性はあり得ると私は予測しています。
第7回試験以降、黒歴史と呼ばれた第25回試験を除いて合格率が25%〜30%程度の範疇で調整されていたところを、44%、58%に跳ね上げた背景には、偶然という二文字では片付けられない事情があるように受け取ります。
合格率を絞るとしたら、「新カリキュラムだから」という必然理由では納得できないですよね。
そのような背景も踏まえて、私は合格点が70点以下になるのではないかと推測しておりますが、3月4日は多くの受験生のみなさまが笑顔に溢れる一日になりますように。
あと約20日。
「大丈夫な未来」が待っているよう、今日も願い続けております。